□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年3月7日発行 第67号 ■ ───────────────────────────── 日本経済はいつ破綻するのか ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 普天間基地問題の解決が5月までに出来なければ鳩山政権は退陣だと自民党が攻撃する。 覚悟は出来ていると鳩山首相は応酬する。 しかし鳩山政権が普天間基地問題で追い込まれることはない。 米国、民主党、自民党の間で「日米同盟重視」で一致しているからだ。 国民の大半が日米同盟を認めているからだ。 県外移転で決着するのか、沖縄内のどこかに移転するのか、あるいは分散移転になるのか。 それはわからない。 しかしそれは米国や民主党にとっては重要な事ではない。彼らにとって重要な事は日米同盟を 維持することだ。 その一点で一致していればどんな解決策も最後は日米合意される。 沖縄県民を軽視する形で決着するのか、米側が譲歩すると見せかけ裏で日本が多大の負担を 追うのか、あるいは複雑な分散移転の形で皆が負担を分かち合うのか、どんな決着方法も可能 なのである。 それが十分に国民に知らされないままに決着するのはいつもの通りだ。 しかし、自民党も国民も、その決着がどうであれ、そのプロセスが不透明であれ、文句は 言えない。言わない。 なぜならば、日米同盟重視の自民党にとって、米国と手を結んだ民主党を攻撃できないからだ。 日米同盟は大切だと思い込まされている国民は、それで安心するからだ。 沖縄県民はどうか。 今までより危険が減ったではないか。騒音が減ったではないか、環境に 配慮したではないか、地域振興に今まで以上の財政補償を支払うではないか、と民主党が言えば おさまる。すでに前原国交相はそれを言い出している。 政権離脱をする気のない社民党に文句が言えるはずはない。ましてや沖縄県民がそれで我慢する なら何も言えない。 このように、外交・安保問題なら私はすべてが見通せる。 しかし他の事はそうはいかない。 そんな私でも、今日(3月7日)の朝日新聞の記事には驚いた。 これが今日のメルマガの主題である。 朝日新聞は一面に「悪夢『20**年』日本破綻」という衝撃的な記事を掲げていた。 日本が破綻するという意見は巷に溢れている。書店にはその手の本が山積みされている。 それが当たるも八卦、当たらぬも八卦の類であればいい。 しかしそれが本当なら大変だ。国民をいたずらに不安に陥れる事は好ましくない。 だから大手新聞が「日本破綻」という衝撃的な見出しの記事を一面に掲げることは、少なくとも 私の記憶ではなかった。 ところが大手新聞が、しかも朝日新聞がその記事を一面で書いた。だから私は驚いた。 そして経済面で詳しく述べられているその解説記事を読んで、更に驚いた。 2010年度の予算において国債(44兆円)が税収(37兆円)をはじめて上回ったことは知って いた。 その傾向が年々拡大する事も聞かされてきた。 国債の9割以上が国内金融機関が保有し、その最終購入者は我々国民である、だから安心だ という考えも知っていた。 しかしその国民が国の借金を引き受けられない状況が10年以内に来るという事は知らなかった。 IMFの試算では2019年に公的債務残高が個人金融資産を上回るという。 みずほ銀行の試算では追加発行できる国債は569兆円で、09年度中の国債発行53・5兆円で 単純計算すると約10年分しかないという。 しかも、家計にはローンがある。高齢化で貯蓄が取り崩される。実際は国民が国債を買えなくなる時 はもっと早く来ると朝日は言う。ひょっとしたら数年以内に深刻な危機がくるかも知れないのだ。 国債が売れなくなると当然国債金利をあげて売ろうとするから、国債金利支払いの負担が急増 し財政がさらに悪化する。 物価は高騰し、株価は暴落する。国民生活はもっと苦しくなる。 極めつけは朝日新聞の結論だ。消費税は25%しなくてはどうにもならない、と。 そうかこれが言いたかったのか。 消費税増税やむなし、しかも大幅な増税は不可避だ、と。 こんな事なら誰でも言える。赤字減らしを逆算して引き上げ税率の数字をはじくことは小学生の 計算でもできる。 しかしそれでは国民はもっと苦しくなる。 増税なき財政再建がなぜ出来ないのか。なぜそれをはじめからあきらめるのか。 それを行うのが政治ではないのか。官僚、経済専門家の知恵の出しどころではないのか。 日米同盟は間違っているという政治家や官僚や有識者が一人もいないことは大問題だ。 だからこそ普天間基地問題ごときでこれほど迷走するのだ。 しかし経済無策のほうがもっと深刻である。 日本経済を立て直す政策を自信をもって提示し、それを実施できる政治家が誰一人いない。 経済専門家も誰一人として解決策を提示できない。 それでいて日にちがいたずらに過ぎ去っていく。 選挙どころではない。政界再編などやっている暇はない。 財政破綻を解決できる政党、政治家であれば誰でもいい。 なぜ誰一人それが出来ないのか。それでのんびりしていられるのか。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年3月7日発行 第67号

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