□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年3月2日発行 第62号 ■ ────────────────────────────── 「選択」が喝破した「戦略なき岡田外交の大罪」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 検察と小沢の戦いがメディアをにぎわしていた頃、小沢シンパ側からのメディアたたき が激しかった。 その一つに、検察リークを垂れ流して世論操作をするメディアは無責任だ、書く以上は 書き手の名前を明らかにせよ、というのがあった。 メディアと権力者のせめぎ合いがまるでわかっていない一方的な主張だ。 リークは報道につきものだ。 しかしリークには、漏らすほうも、書くほうも、リスクをともなう。だからあからさまな リークなどしない。リークを検証せずにそのまま書く記者は出来の悪い記者だ。 リークするほうも書くほうも阿吽の呼吸でやり取りし、リスクを覚悟でそれを行うのだ。 そして、彼らのせめぎ合いから生まれる記事によってはじめて、我々一般国民は真実に 近寄る事ができる。 情報源に直接接することのできない我々一般人はリーク記事に感謝しなければならないのだ。 出所を明らかにしないからこそ真実が賭けるのだ。すべてが記名記事であれば面白い記事など 生まれない。 無記名記事に徹して良質な情報を与えてくれる数少ない雑誌に「選択」がある。 発売されたばかりのその3月号に「戦略なき岡田外交の大罪」という記事があった。 かなりの内部事情通が書いたと思われるその記事は、私が常日頃書いてきた岡田外交批評を 見事に裏付けてくれるものである。 その記事は中東のある国の外交官が、鳩山・岡田外交の中東政策の不在を嘆く言葉から始まる。 イランの核開発問題、パレスチナ問題などで鳩山政権は何も発信していない。一体、誰が中東政策 を組み立てているのか。官僚依存ではないのか、と。 そしてその記事は、次のように鋭く岡田外交の正体をを見抜く。 官僚主導で外交が進められているかというとそう簡単な話ではない。 日米、日中関係や安全保障といった政治主導になじむ外交に口出しすれば不興を買うから 外務官僚も自粛する。 しかし政治家側に知見のないその他大勢の国々との外交は事情に通じた専門家に頼る部分が大きい上、 政治家側に思い入れや関心がないので、官僚の意見が通りやすくなる。 かくして今の外務省では、重要ポストにいる官僚たちほど動きがにぶく、その意見や要望がそのまま受け 入れられる地域課の専門家などは「よく話を聞いてもらえる」と元気がいいという。 主要な外交が政治主導で正しく行われているのなら外務官僚がでしゃばらなくてもいい。 ところが現実は岡田外務大臣、福山、武正副大臣の政務三役の連携がなく、バラバラだという。 それどころか岡田外相の外交方針がまるでわからない。鳩山首相とことごとく異なる発言をして鳩山政権 をゆさぶり、軽々に核密約や外交機密費上納の公表発言をして混乱の種をまく。 要するに岡田外交は官僚主導でもなければ、正しい政治主導に基づいた戦略外交でもない。ただの 迷走外交でしかない、というのだ。 ここまでとは思わなかった。 「選択」の記事はこう締めくくっている。 「岡田のとんちんかんな政治主導が、回復不能なところまで外交・安保政策を歪めるのに、それほど 時間は必要ない」、と。 岡田外相を含め鳩山政権の閣僚の任免権は鳩山首相にある。いや小沢幹事長にあるのかもしれない。 いずれにしても鳩山・小沢民主党政権の帰趨は、やはり鳩山・小沢両名の手にあるということだ。 両名の責任は重い。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年3月2日発行 第62号

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