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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「天木直人メルマガ」2010年2月28日発行 第60号
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□■□■  【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■    天木直人のメールマガジン 2010年2月28日発行 第60号 ■     ──────────────────────────────         外務官僚まかせの空疎な鳩山対米外交         ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  外務省を離れて7年近くがたつ。私の同僚たちはまだ外務省に残って外交を取り仕切っている。 だから彼らのやっていることが手に取るようにわかる。  毎日のように新聞で報道される鳩山民主党政権の対米外交が、いかに外務官僚まかせになって いるか、そしてそれゆえに、その対米外交が今まで通り、いやそれ以上に、弱く、空疎なものに なっているか、それがわかりすぎるのでつらい。  対米外交ですらここまで空疎なのだ。そのほかの外交など存在しないに等しい。いったい 外務官僚は毎日どうやって時間をつぶしているのだろうと思う。  2月28日の読売新聞が一面トップで鳩山首相とオバマ大統領の首脳会談が4月に開かれる とスクープしている。  しかし、それをよく読むと4日12日、13日にワシントンで開かれるオバマ大統領主催の 核拡散サミット出席の際に、空いた時間を利用して行う首脳会談だとわかる。  それは本来の首脳会談ではない。  本来のあるべき首脳会談とはそのために首都を往来し、公式訪問を行って会談するものだ。  その会談内容は双方の国益をぶつけ合った議論、交渉であるのだ。  なぜ外務官僚はそれをお膳立てしようとしないのか。なぜ鳩山首相はそれを外務官僚に 命じないのか。  思えば、これまでの日米会談はどれ一つとってもまともなものはなかった。  鳩山首相の国連総会出席やデンマークの環境サミット(COP15)参加のついでに行われたものだ。 オバマ大統領がシンガポールでのAPEC首脳会議出席の途次に日本に立ち寄った寸暇を惜しんで 行われたものだ。そんな会談でまともな話ができるはずはない。  今回の核サミットもまた「ついでに行う」首脳会談である。  しかも今回のサミットは決して核廃絶を行うことを目的としているものではない。 あくまでもテロに核兵器を渡さない為の国際結束を図るものだ。  日本が活躍する余地のないサミットだ。またしても日本は米国から「テロとの戦い」に協力 させられるサミットなのである。  それをたくみに隠し、核廃絶に貢献する日本外交の姿を日本国民に訴える。日本のメディアと 結託してそれを宣伝する。外務官僚のいつものやり方だ。  首脳会談にしてもそうだ。オバマ大統領はテロとの戦いに日本を利用するために鳩山首相に 会うのだ。  決して普天間基地や在日米軍の話はしない。話をするとすれば日米合意を守れと注文をつける だけだ。  鳩山首相が首脳会談で県外移転を持ち出す事はない。沖縄県民の民意を聞いてくれなどと オバマ大統領に伝えることはない。オバマ大統領との関係を修復することで精一杯だ。良好な オバマ大統領との関係を日本国民にアピールする事で頭が一杯だ。  外務官僚がそれを鳩山首相に吹き込み、鳩山首相がその通りだと外務官僚の振り付けに従う。  それを証明するかのような発言をまたもや岡田外相が繰り返している。  2月28日の東京新聞は岡田外相が地元三重県の講演で、沖縄県外は困難、沖縄県内移転は やむなし、などと話したと報じている。  その一方で、2月27日の朝日新聞と2月28日の読売新聞が、3月末にも発表される核密約 報告書においては核密約はなかったと認定する方針であると報じている。  外務省の了承を得た有識者委員会のリークである。  ここまで密約が明らかになっているのに、密約はなかったはないだろう。  それをいきなり発表すれば国民が怒り出す。だから徐々にリークし、国民の衝撃を和らげるの が狙いだ。  メディアがその情報をさもありがたく報じて外務官僚の思惑に加担する。  国民のための本来の、困難な、しかしやりがいのある、外交をすることなく、その能力もなく、 政権がかわっても、米国の動きがどうであろうとも、ただひたすらに良好な日米同盟関係を維持し、 それを演出すれば事足れりとする。  それは外交ではなく、小手先の内政だ。  それに明け暮れる外務官僚のいつもの姿がそこにある。  そんな外務官僚の助けを借りて日米関係の修復を必死で図ろうとする鳩山政権の姿が5ヶ月で 明らかになりつつある。  その動きが手に取るようにわかるから毎日の報道を見るのがつらい。                   _________     天木直人のメールマガジン 2010年2月28日発行 第60号  

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