□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年2月27日発行 第59号 ■ ────────────────────────────── 政治による監視が完全に失われてしまった日米同盟予算 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 2月24日の東京新聞が日米同盟がらみの予算に関連して大スクープを掲載していた。 小泉政権の末期である2006年5月にドサクサにまぎれてなされた「米軍再編」に 関する日米合意。 その一つに沖縄米海兵隊のグアム移転に関する日本側の財政負担があった。約60億ドル (5千5百億円)の血税による負担である。 ところがこの経費のなかに米国本土からグアムへ移転する米海兵隊の家族分の経費まで 含まれていることがわかったという。 防衛予算の追及にかけては右に出る者がいない半田滋編集委員ならではのスクープだ。 半田編集委員の質問に対する防衛省幹部の言い分がふるっている。 沖縄は米軍にとって海外だから単身赴任者もいるだろうがグアムは米領土であるから家族 が本土から来るのだろう、と。 しかし半田編集委員は問題提起する。 ただでさえ米国領土グアムへの移転経費を日本が肩代わりするのは疑義があるというのに、 米国から米国への移転経費まで日本側が負担する事は妥当か。それを国民に問わなくていい のかと。 更に半田編集委員は言う。 政府は「移転する海兵隊は実員数ではなく定員数であり、家族の数はその定数を踏まえた概数」 である、などと国会などで答弁してきた。 しかし実際に何人の海兵隊が移転するのか、その海兵隊が帯同する家族数は何人になるのか、 防衛省は「わからない」という。 それでは米国に言われるままに予算負担をしたのではないか、と。 ここまでが東京新聞のスクープである。 今日のメルマガで私が言いたいことは以下の部分である。 このスクープ記事を知った民主党は、はたして予算編成の見直しをするのか。 まず100%間違いなく、民主党はそれを行わないだろう。 私がそう確信するのは、昨日2月26日に行われた「政権交代と憲法改正の行方」という シンポジウムに出席していた平岡秀夫民主党衆院議員の話を聞いたからだ。 その具体的内容をここで明らかにする事は適当ではない。 しかしそれを一言で表現すれば防衛関連予算については政治主導がまったく働いていない、という 現実である。 日米同盟関係予算の手をつけようとする政治家も政治的動きも、今の民主党には皆無であると いうことだ。 外務、防衛官僚の要求どおりであるということだ。 民主党が野党であった時は確かに追及した。しかし、それはあくまでも自民党政権を倒す観点からの 追及であって政策論争からではない。 政権をとった今、日米同盟予算に手をつける考えはないのだ。 そういえば迎撃ミサイルやヘリ搭載型護衛艦(空母)や新戦車などの購入費や、米軍再編がらみの 予算は、手つかずのままだ。 民主党が政権を取った事により、日米同盟がらみの予算を監視する者がいなくなった。外務、防衛官僚 に白紙委任されてしまった。 私にとっては耐え難い現実である。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年2月27日発行 第59号

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