□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年2月26日発行 第58号 ■ ────────────────────────────── 北岡伸一密約検証委員会座長の鳩山首相批判 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日米同盟の帰趨を占う上で普天間基地移設問題よりはるかに重要な問題は沖縄密約問題 である。 再三にわたって引き伸ばされた報告書公表も3月末には行われるだろう。さすがにこれ 以上遅らせるわけにはいかない。 3月末と言うタイミングが、普天間基地移設問題決着の5月末より前であるところがミソだ。 普天間基地移設問題より先に、この密約問題で米国との同盟関係を損なう事は外務省 としては絶対に認められない。 どういう報告書になるかは自明である。 密約文書の一部が見つからなかった、という報道が盛んになされている。 「核持ち込み」の解釈が日米で違っていた、つまり核兵器を積んだ艦船や搭載機の通過、 一時立ち寄りは「核持ち込み」にはあたらない、という解釈がさかんに報道されてきた。 要するに、核密約は完全には確認されなかった、これで過去の検証は幕引きし、未来志向の あらたな日米同盟の深化に向けて再出発すべきだ、そんな報告書になることは間違いない。 もし報告書が核持込の事実を明確に確認し、そして鳩山首相が前言を翻すことなく非核三原則は 今後も厳守する、つまり核兵器は持ちこませない、と決断すれば、日米同盟は崩壊する。そんな 事には決してならない。 この私の推測を決定づけるあらたな情報を見つけた。 発売中の週刊朝日3月5日号にフリージャーナリスト時任兼作氏の手になるスクープ記事があった。 1月15日にワシントンで開かれた在米日本大使館主催の日米安全保障セミナーの席上で、 北岡伸一教授が、対米外交で迷走発言を繰り返す鳩山首相を、繰り返し痛烈に批判したというのだ。 時任氏は言う。 一学者がどのように首相批判をしてもそれは言論の自由だ。しかし北岡教授はただの学者ではない。 外務省参与として外務省内に執務室を持ち、機密文書に接することもでき、外交旅券も発給される れっきとした外交官だ、と。しかも核密約検証有識者委員会の座長である、と。 その彼が普天間基地移設問題をはじめとする鳩山首相の対米外交を批判し、それを聞いていた藤崎 駐米大使ら日本大使館は、主催者であるにも関わらず、その発言を制止しなかった、これは異常だ、と。 時任氏の指摘は正しい。これはほとんどもう外務官僚と親米御用学者のクーデターではないのか。 そもそも北岡教授を座長に据えたのは外務官僚であり、その人事を追認したのは岡田外相である。 その北岡氏に鳩山首相が公開の場で馬鹿呼ばわりされている。 鳩山首相批判発言があったのは1月15日というから、もう一月以上にもなる。 公開セミナーの席上での発言だから誰もが知っている話だ。 大手新聞はそれを知っていたに違いないが、事の重大性の故か示し合わせたようにこれを報じなかった。 それが時任氏の週刊誌報道で明らかになったのだ。 しかし、このスクープがなくても、北岡発言は鳩山首相や岡田外相には伝わっているはずだ。 伝わっていなかったとすれば鳩山首相や岡田外相は裸の王様だということだ。 伝わっていて、それでも怒らないとすれば鳩山民主党政権は完全に外務省に舐められているということだ。 それとも、岡田外相は外務官僚、北岡座長と一体になって鳩山首相の対米外交を批判しているということなのか。 いずれにしても核密約の正しい検証など鳩山民主党にはとても期待できないということだ。 外務官僚の高笑いが聞こえるようだ。 _________ 天木直人のメールマガジン 2010年2月26日発行 第58号

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