□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年2月9日発行 第40号 ■ ────────────────────────────── 中東和平なんかもういらない ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 鳩山首相が8日、パレスチナ自治政府のアッバス議長と会談し、中東和平交渉の早期 再開を期待すると伝えたという。日本のパレスチナ援助を表明したという。 このあまりの白々しさに、私は外務官僚主導の鳩山外交の不誠実さを、また一つ見る 思いだ。 鳩山首相は知っているのだろうか。米国、イスラエルに分断されたパレスチナは、 もはやその指導者も選べないほど崩壊している事を。 アッバス議長は、任期が切れても選挙ができないまま議長職にとどまっている死に体の 議長であることを。 鳩山首相は知っているのだろうか。我が国のパレスチナ援助がイスラエルのパレスチナ 封鎖で援助物資も搬入できずに無駄になっている事を。 この鳩山首相とアッバス議長の会談を見て、私は少し前のニューズウィーク日本語版 (1月20日号)の記事を思い出した。 その記事は「中東和平なんか、もういらない」と見出しで始まっていた。 テルアビブ大学の政治学教授が毎年行っている「戦争と平和指数」と名づけられた 世論調査によると、ここ数年、パレスチナとの和平交渉を進めるべきだと思うイスラエル 国民が過去最低になっているという。 その理由の一つがイスラエル国内の治安が改善し、パレスチナとの関係改善に頭を 痛める必要が減っているからだという。 治安がてきめんに改善したのは、国際法違反の悪名高いパレスチナ分離壁を建設して テロリストの侵入を厳しく防いだからだ。 ニューズウィーク誌の記者はこう書いている。 テロが減少した今こそ交渉を始める絶好のタイミングのはずだ。イスラエルは テロがなくなって治安が確保されれば交渉すると言っていたからだ。 ところが今のイスラエルは、 中東和平交渉の前提条件だった治安維持がいつしか目標になってしまった。その目標が達成された ので、強硬路線を取り続けてその目標を維持すればいいだけになってしまっている、と。 イスラエル人の一人が今の心境を次のように代弁してみせる。 「事態は落ち着いた。テロもなくなり株価も上がっている。和平プロセスを再開して面倒な 状況に戻す必要がどこにある?」 もはや我々はイラクの事など忘れている。 メディアが報じるのは石油利権を日本が確保できるかということばかりだ。 毎日のように起きている自爆テロも、その実行犯が女性の時だけしかニュースにならないのでは、 悲しすぎる。 恵まれた者には弱者の苦しみに思いを馳せるのは面倒なのだ。資産や利権を増やすことのほうが 関心があるのだ。 平和の実現が困難な真の理由は、争いよりも、この恵まれた者達の無関心さにあるに違いないと 私は思っている。 _________ お知らせ 以下の通り案内します。 2月26日(金) 午後5時30分開場 パネルディスカッション 水島朝穂(早稲田大学法学学術院教授) 天木直人 平岡秀夫(衆議院議員・民主党) 場所 弁護士会館2階 講堂クレオ 東京メトロ 霞ヶ関駅 出口B1-b 問い合わせ 第二東京弁護士会 人事課 03-3581-2257 天木直人のメールマガジン 2010年2月9日発行 第40号

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