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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「鳩山政権が行き詰まるとすればそれは政策不在のためである
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□■□■  【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■    天木直人のメールマガジン 2010年2月8日発行 第39号 ■     ──────────────────────────────        鳩山政権が行き詰まるとすればそれは政策不在のためである            ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  私のメルマガの読者の大半は気づいておられると思うが、私は今回の小沢、反小沢騒動に 我々一般国民はのめりこんではいけないと思ってきた。  その理由はいくつかあるがたとえば三つ挙げて説明してみる。  (1)この騒動のかげで国民の重要な政策が忘れ去られ、政策の監視ができなくなる。  (2)この騒動はつまるところ権力者同士の権力争奪争いである。  (3)メディアの流す情報や、各人が語る言葉は、それぞれの思惑がある。  これである。  今日は新聞休刊日であるから、今日発売の週刊現代2月20日号の記事を引用しながら これらについての私の視点を述べてみたい。  順序不同でまず(3)のメディアに関して言えば、メディアはダブルスタンダードであると いうことだ。  私が愛読する日刊ゲンダイはこの事件以降、小沢擁護、検察たたき一辺倒に終始していて、 実につまらないものになっている。毎日同じ事の繰り返しだ。おもしろい情報がまるで なくなってしまった。検察たたきへの迎合である。  ところが週刊現代は毎週小沢たたき一辺倒だ。  これは何を意味するかと言えば、親会社の講談社が使い分けているのだ。  同じ事は朝日新聞にも言える。朝日新聞は小沢批判であるが週刊朝日は検察批判に徹している。  テレビ朝日はわけがわからない。小沢をたたいていると思えば検察たたきだ。なにしろ あの田原総一郎が検察たたきの片棒を担いで見せたりする。わけがわからない。  他のメディアも同様だ。要するに使い分けているのだ。その背後にあるのは、正義の追及 の仮面をかぶった営業目的がある。読者、視聴者への迎合がある。 (2)の権力同士の争いについては、馬鹿を見るのは国民だと、私はかつてこのメルマガで書いた。  週刊現代2月20日号の小沢一郎対検察第二幕という記事の中で、検察内部の対立を伝える 次のようなくだりがあった。 ・・・東京地検は・・・佐久間特捜部長以下、一致して「小沢氏の起訴はできる」という スタンスだったという。しかし、次期検事総長候補と言われる東京高検の大林宏検事長ら 上層部が強く反対した(全国紙司法クラブ記者)。結果的には現場の強硬論は抑え込まれる形となり、 上層部の判断によって小沢氏起訴は見送られたのだ・・・  もしこれが事実ならば、そして私は大いにありうる事だと思っているのだが、小沢氏と検察が 取引したということだ。  誤解なきように断っておくが、ここでいう取引とは、なにも小沢氏と最高検幹部が具体的な合意を したという事ではない。大林の検事総長昇格が内定したわけではない。双方の戦いが終わったわけで はない。双方の関係が良好だということではない。  どちらかがつぶれるような形は避けたいという意向が小沢氏と最高検首脳の双方にあり、それが あうんの呼吸でお互いにあらわれたということなのだ。  東京地検といえども最高検からみれば下っ端だ。  下っ端の正義感が、最高検という権力者の打算でつぶされたということだ。  一方で、検察官僚組織を叩き潰すといわんばかりの小沢氏がなぜ急に軟化したのか。それは検察 との全面対決をすれば危ないという計算が働いたのだ。  週刊現代2月20日号の記事は、別のところで小沢疑惑の本質に触れている。  岩手県の地元建設業者が取材で語ったと次のように書いている。  検察のリークばかりが小沢戦いの元凶だと強調されているがそれは違う。メディアは足を 使ってあらゆる情報源をあたっている。  我々はそのようなメディアの努力に敬意を表さなければならない。そのメディアの努力なくして は我々は何もわからない。  その上で、我々はメディアの玉石混合情報を選別し、そしてまたメディアの思惑を読み解かなければ ならないのだ。  「胆沢ダムが小沢ダムだというのは、ウチの小学生の子供でも知っているんですよ・・・そこまで したのに結局仕事はまわってこず、いま土建屋がどんどんつぶれている。もうばかばかしくて何が 行われていたか全部話しました・・・」  もし小沢氏が検察との戦いに100%自身があれば戦ったはずだ。そして検察をつぶせたはずだ。  そのためには絶好のタイミングで絶好の機会があった。  検察の裏金を告発して不当逮捕された三井環元大阪高検部長が刑期満了で出所したからだ。  彼を前面に押し出して検察の裏金をばらせばよかった。国民は喝采した。三井氏の「名誉は挽回された。  それが出来るはずであり、そうすれば検察は一巻の終わりだった。  ところがそうはならなかった。無力な三井氏の正義より、手ごわい敵である検察最高検との対決回避を 小沢氏は優先したのだ。  限りなく黒に近い検察の悪が、限りなく灰色に近い小沢氏の手によって見逃されたのだ。  検察たたきのフリージャーナリストも評論家も、誰も三井環氏を使わなかった。  (1)についても、週刊現代2月20日号の記事から引用して論じてみる。  週刊現代は別のところで「いいかげんな、あまりにいいかげんな鳩山さん」という記事を掲載 している。  その中では、年金問題解決の停滞からはじまってガソリン減税の廃止や高速無料化の不履行、不徹底、 さらには子供手当て財源の迷走、天下り規制のごまかしなどなど、その政策はことごとく国民の期待を 裏切っていると書かれていた。そしてその裏には鳩山首相の政策のなさ、指導力のなさ、があると 書かれていた。  それらの一つ一つについて私は自信ある評論はできない。  しかし、少なくとも外交に関しては断言できる。鳩山首相の政策のなさと指導力のなさは、もはや 明らかだ。  今朝のテレビで知って驚いた。北方領土返還問題の集会に出席した鳩山首相が、4島返還の実現は 私の外交の最重要課題であると言ったというのだ。  明日の各紙は果たしてこの発言をどのように報じるのか、私は注視する。  いくら北方領土返還決起集会での挨拶であるとしても、この発言はないだろう。 北方領土問題が日本外交の最重要課題であるはずはない。4島返還が鳩山首相の手で実現すると考える 者は誰もいない。  この言葉を聴いたことにより、私は鳩山首相のこれまでの発言は、すべてこのように、実体の伴わない 事を、前後の見境なく無責任に話してきたのだと思った。決定的に重要な事をかくも軽々しく口にして 来たのだ。それが不要な混乱を招いてきたのだ。  鳩山政権が行き詰まるとしたら小沢問題ではない。政策不在の末の行き詰まりだ。  我々は小沢問題などに目を奪われることなく、鳩山政権の政策の一つ一つについて、もっと監視 しなければならない。  メディアももっと政策について報じるべきだと思う。                          _________   お知らせ  以下の通り案内します。 2月26日(金) 午後5時30分開場  パネルディスカッション 水島朝穂(早稲田大学法学学術院教授)              天木直人              平岡秀夫(衆議院議員・民主党)  場所 弁護士会館2階 講堂クレオ  東京メトロ 霞ヶ関駅 出口B1-b  問い合わせ 第二東京弁護士会 人事課       03-3581-2257                                                       天木直人のメールマガジン 2010年2月8日発行 第39号  

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