□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年2月5日発行 第36号 ■ ────────────────────────────── またひとつ、国民より米国政府に顔を向けた官僚の姿を見た ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 民主党が政権を取ったとたんマニフェストを変える事は、ある程度は理解できるし 容認もできる。 しかし、それも程度の問題だ。 民主党の根幹に関わるマニフェストを変えてはならない。 その一つが情報公開だ。国民に対する説明責任を果たすということである。 どうやらそこが揺らいでしまったようだ。 日米密約を調査してその結果を国民に公表すると岡田外相は就任早々公言した。 私は、これは物凄い事だと思った。日米密約を認め、公開することなど、自民党政権下では およそ考えられなかったからだ。 それは、政府・官僚がこれまでの嘘を認めるという衝撃だけではない。 日米同盟の否定につながる問題をみずから提起する事になるからだ。 おそらく岡田外相はそれにきづかずに密約公表を口走ったのだろう。 嘘を言ってはいけないという情報公開の重要性だけを見てそういったのだろう。 しかし外務官僚にたしなめられ、ただちにその深刻さに気づいたに違いない。 その後の日米密約調査の進めかたについての豹変振りがそれを物語っている。 2月1日の東京新聞は、1月31日に第6回会合を開いて、核密約調査報告書の2月中の 発表を断念して、3月末を最終期限とする方針を確認したと報じていた。 調査委員会の座長が勝手にどんどんと延期を続ける。それに対する岡田外相の意見は まったく報じられることはない。 これまで6回も会合を開いておきながら、数度にわたる報告延期の理由の説明もなされなければ、 調査がどこまで進んでいるかの中間報告さえ一切説明されることはない。 国会議員はそれを国会で追及するわけではなく、メディアも政府・外相につめよる気配はない。 そう思っていたら、2月3日の読売新聞を見て驚いた。 日米同盟の再定義を協議するための外務・防衛局長級会合の場で、外務省の梅本和義北米局長らが、 キャンベル国務次官補らに、核密約の検証作業について説明したというのだ。 有識者委員会は外務省と一体だ。彼らは国民に伝える前に外務省に伝え相談している。 そして外務官僚たちは、国民に説明することなく、米国にうかがいを立てているのだ。 読売新聞のその記事は、正直にも次のように書いていた。 「・・・核密約の存在が認定された場合でも、米国の核抑止戦略である『核の傘』など、日米の 安全保障政策に悪影響を与えないよう、日本側が『事後処理』に着手したといえる・・・」 読売新聞に指摘されるまでもなく、私がつとに言い続けてきた事だ。 もはや密約調査は国民のために真実を情報公開するためのものではない。 米国と協議して日米同盟という名の米国の対日支配を如何にして国民の目から隠すかの作業である。 テロや中国、北朝鮮の脅威から日本を守ってくれる米国との同盟関係を強化するのは当たり前ではないか、 そのために核抑止力を損なってはならない。 これを国民に思い込ませる作業である。 それにしても岡田外相や武山、福山副大臣は何をしているのか。名前も思い出せないような外務政務官は どんな仕事を毎日しているのか。 そう考えていくうちに気づいた。 鳩山民主党政権に失望させられたのは、情報公開だけではない。 もう一つの重要なマニフェストである脱官僚支配までもがまったくなされていないのだ。 少なくとも日米安保・外交についてはそうだ。 外交・安保にうとい政治家ばかりの鳩山民主党だけに、自民党政権よりも言いなりになっている。 _________ お知らせ 以下の通り案内します。 2月6日(土) 午後6時開場 講演 鳩山外交に私が望むもの(仮題) 場所 蕨市民会館 048-445-7660 問い合わせ 田中和子 048-444-3210 2月26日(金) 午後5時30分開場 パネルディスカッション 水島朝穂(早稲田大学法学学術院教授) 天木直人 平岡秀夫(衆議院議員・民主党) 場所 弁護士会館2階 講堂クレオ 東京メトロ 霞ヶ関駅 出口B1-b 問い合わせ 第二東京弁護士会 人事課 03-3581-2257 天木直人のメールマガジン 2010年2月5日発行 第36号

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