□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年1月31日発行 第31号 ■ ────────────────────────────── 鳩山連立政権に欠けている安全保障政策の政治主導 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 相も変わらず普天間基地移設先の議論がメディアで繰り返されている。 週末のテレビでは連日鳩山連立政権の党首らが雁首をそろえて野党代表と不毛の議論を している。 それを聞きながら私は絶望的な気分にさせられた。 なぜ普天間基地の移設場所ばかりが議論されるのか。 なぜ日本の安全保障政策について誰も一言も議論しないのか。 それにもまして日本の安全保障政策を左右する米国の安全保障政策の正体について 誰も指摘しないのか。 あす2月1日に米国の「4年毎の国防計画見直し」が発表されるという。 4年毎に見直されるこの米国の国防政策こそ日本の安保政策にとってもっとも重要なものだ。 なぜならば、防衛省や自衛隊の幹部が認めるごとく、戦後の日本には独自の安全保障政策はなく、 すべて米国の安全保障政策に委ねられてきたからだ。 その米国の4年に一度の国防政策の原案を、読売新聞が入手して1月31日の紙面で紹介している。 スクープというほどのものではない。なにしろ明日にはそれが公表されるのだ。 時差があるからおそらく日本では2月2日の朝刊になるのだろう。各紙がいっせいにそれを取り上げる ことだろう。 しかし重要なことは、米国の国防案の表面的な字面を追うことではない。 その文面の裏に隠された米国の本音を見抜く事である。果たして各紙はどのような解説を行うのだろうか。 読売新聞の原案は、米国案は、一方においてアフガン・イラクの二つの戦争での勝利をめざし、 他方において「多様な脅威」に対応できる軍事態勢の構築であるという。 後者はもちろん中国やロシアという伝統的軍事覇権国への対応である。 しかし、ただでさえテロとの戦いが拡散している中にあって、今の米国が中国やロシアなどの軍事的脅威 との二正面作戦を行う余裕も意思もあるはずはない。 米国の安保政策の最重要課題はテロとの戦いに勝利することだ。 しかしそれだけを国防政策の脅威と公言するわけには行かない。 それだけだと同盟国、とくに日本に置ける米軍基地の正当性が説明できないからだ。 おりしも突然決定された米国武器の台湾売却が米中間に緊張を生みつつある。 あたかも、「だから日米同盟は重要なのだ。海兵隊の抑止力は必要なのだ」、といわんばかりだ。 1月31日の読売新聞は、ご丁寧に「米中対立は近く高まる」などというスタインバーグ米国務 副長官の発言を報じている。 中国全国人民代表会議(国会)の外交責任者が米国に反発したと報じている。 しかし、その一方でスタインバーグ米国務副長官は、相互利益を追求する形で良好な関係を米中は 構築できる、とも言っている。 中国も、台湾や自国民の手前、米国に抗議する振りをしないと格好がつかないであろう。 重要な事は国際政治の大きな流れを正しくつかむ事だ。 表面的な動きを利用して国内政争にあけくれるのではなく、国際政治の動きを正しくつかんでそれを 国民に伝え、国民の支持のもとに日本国民のためになる正しい外交を行うことだ。 それはそのままメディアの責任でもある。 おりしも1月31日の日経新聞は、米国の新しい国防政策が発表される時期に合わせるかのように、 2月2日に外務・防衛局長級による日米安保高級事務レベル協議が開かれると報じている。 日米安保条約改定50年に合わせた日米同盟深化の話し合いを始めるという。 米国政権の中枢と話し合うことの出来るまともな政治家が一人もいない。 だから対米外交、安保政策を官僚に委ねざるをえない。 このことこそ鳩山連立政権の最大の問題なのである。 もっとも重要な外交・安保政策において脱官僚がまるでなされていない。 国の根幹にかかわる外交・安全保障政策においては自公政権の時と何も変わらない。 それが鳩山連立政権の大問題である。 普天間基地移設問題をここまで不毛な議論にしてしまった原因である。 _________ お知らせ 以下の通り案内します。 2月6日(土) 午後6時開場 講演 鳩山外交に私が望むもの(仮題) 場所 蕨市民会館 048-445-7660 問い合わせ 田中和子 048-444-3210 2月26日(金) 午後5時30分開場 パネルディスカッション 水島朝穂(早稲田大学法学学術院教授) 天木直人 平岡秀夫(衆議院議員・民主党) 場所 弁護士会館2階 講堂クレオ 東京メトロ 霞ヶ関駅 出口B1-b 問い合わせ 第二東京弁護士会 人事課 03-3581-2257 天木直人のメールマガジン 2010年1月31日発行 第31号

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