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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

「天木直人メルマガ」2010年1月26日発行 第26号
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□■□■  【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■    天木直人のメールマガジン 2010年1月26日発行 第26号 ■     ──────────────────────────────         古い政治システムの打破と新しい政治への期待             ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  週刊現代2月6日号に日本の政治のリーダーシップに関する考えさせられる論考見つけた。  文芸評論家で慶大教授の福田和也氏が、週刊現代2月6日号の「平成フラッシュバック」と いう連載のコラムで興味深い指摘をしている。  その記事自体は、ジャーナリズムが国政の一端を担う見識も責任感もなくなった危機的状況を 憂えるという体裁をとっている。  すなわち、戦前の首相ら大物政治家には、大隈重信(報知新聞)、西園寺公望(東洋自由新聞)、 原敬(大阪毎日新聞)、高橋是清(東京日日新聞)、犬養毅(朝野新聞)、緒方竹虎(朝日新聞)、 中野正剛(朝日新聞)などジャーナリズム界の重鎮が多いのに、戦後はそれに匹敵するまともな ジャーナリズム出身の大物政治家はいなくなった。芦田均(ジャパンタイムズ社長)、石橋湛山 (東洋経済社長)ぐらいしか思い浮かばない、というものだ。  これは政治にとってもジャーナリズムにとっても一つの危機ではないか、というものである。  その事については、私は特段の思いはない。  私が注目したのは、その中で指摘されている日本の政界の年功序列の弊害についてのくだりである。 福田氏が言いたかった事もまさしくこの部分にあるのではないかと私は見た。  福田氏はまず日本の政界の年功序列の現状を次のように指摘する。  「戦後の政界が、戦前と著しく異なるのは、基本的に当選回数を重ねていくことで、序列が上がり、 ポストを獲得していく仕組みが確立されていることだ・・・政界で重きをなしたければ、なるべく早く 国政に打って出て、当選回数を増やすことが、何よりも大事ということになる・・・」  そしてそのような年功序列が許されてきた理由を次のように喝破する。  「こうしたシステムが維持されてきたのは、何といっても冷戦下、日本の政治が大きな課題と取り組む 必要がなかったからである。戦前のように、戦争に直面する事もなければ、激甚な不況や凶作に見舞われる 事もなかった。西側の一員という、安定した立場があったために、国の大きな舵取りをする必要もなかった からであろう。  政治家の当選回数を基本とする体制は、企業の年功序列と同様に、戦後日本の繁栄においては、ある程度、 合理的だったのである・・・」、と。  うなずける。戦後の政治の生ぬるさである。それを許した日本をとりまく環境の幸運である。  そしてその弊害を福田氏は次のように続ける。  「けれども、このシステムが定着すればするほど、それと同時に二世、三世が国政に挑むようになり、 たいした世間知もなければ、仕事上での経験もない人間が、国政でキャリアを積み、枢要な地位を占める ようになっていく・・・」  まったくその通りだ。  私が注目したのはその後に続く結論部分だ。  「平成年間に入ってからの明らかな政治の劣化は、昭和戦後期の安定を支えた(この年功序列)機構の 負の遺産だという事ができるだろう。冷戦終結後20年たっても、冷戦下の人材登用方式から日本の政治は 脱却していない。  民主党の大勝により、ついに当選回数を基盤とするシステムは終わるのか、と期待したのだが、小沢一郎 幹事長の言動を見る限り、そのような期待を持つ事は出来ないようだ。  小沢一郎自身が、小泉純一郎元総理と同様の世襲議員であり、大学卒業後、一般企業なり官庁なりで働く経験 を経ず国政にでた人間だ・・・そんな小沢氏にとって当選回数こそが、政治家をはかる最大のものさしである ことは、動かしがたい前提という事になるのだろう・・・」  選挙至上主義は何も小沢幹事長だけではない。与野党を問わず、今の政党、政治家のすべてが選挙最優先主義だ。  よほど政治家という職業はおいしいものなのだろう。  そのような政党、政治家が今日の政治の混迷をもたらしたに違いない。  福田氏の説に従えば、今の日本はもはやかつての甘えが許される日本ではないのではないか。危機的な状況 ではないのか。日本を取り巻く国際環境は、東西どちらかに属していれば安心だ、という時代はとっくに終わって いるのだ。  それにもかかわらず政治システムは旧態依然のままだ。  まったく新しい政治指導者を生み出すような政治システムが必要ということではないのか。  様々な分野で活躍し、その道で実績を上げ、評価される者たちが、人生の一時期において政治家になり、 私利私欲を捨てて国民のためにその能力とエネルギーを燃焼する。  その後は、後に続く有能なものに次々とバトンタッチしていく。  そういう政治家を生み出せるような選挙制度をつくることが、日本を救う道ではないのか。  この事はかねてから私が思い抱く政治論であるので、稿を改めて書いていきたい。                                                       _________   お知らせ  以下の通り案内します。 1月28日(木) 午後6時20分  講演 沖縄基地と日米安保の将来  場所 JR王子駅北口2分 北とぴあ第2研修室  問い合わせ 佐野雄二 042-945-6338 2月6日(土) 午後6時開場  講演  鳩山外交に私が望むもの(仮題)  場所  蕨市民会館 048-445-7660  問い合わせ 田中和子 048-444-3210 2月26日(金) 午後5時30分開場  パネルディスカッション 水島朝穂(早稲田大学法学学術院教授)              天木直人              平岡秀夫(衆議院議員・民主党)  場所 弁護士会館2階 講堂クレオ  東京メトロ 霞ヶ関駅 出口B1-b  問い合わせ 第二東京弁護士会 人事課       03-3581-2257                                                       天木直人のメールマガジン 2010年1月26日発行 第26号  

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