□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年1月21日発行 第21号 ■ ────────────────────────────── 日米安保50周年礼賛一色の大手新聞 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日米安保条約50周年を契機に日米同盟をさらに深化させる。 そういう趣旨の共同声明が1月19日に日米両政府で発出された。 その中身に鳩山民主党政権の姿は見えない。 自民党政権下で準備されていた日米官僚の作文をそのまま借用したごとくである。 署名者の名前が岡田外相と北沢防衛相という民主党の政治家に変わっただけで、 その名前が高村や川口や久間や石破であってもなんら変わりはない。 従属から対等へという鳴り物入りでスタートしたはずの鳩山民主党の対米外交が、 いまや自民党政権とまったく同じくらい日米同盟を礼賛している。 なぜこんな事になってしまったのだろうか。 その事については、民主党政権の本質にかかわる事であるから、今後とも折に触れて書いて いきたい。 私がここで指摘したいのは日米安保50周年を報じる大手新聞のすべてが礼賛一色になって いるという現実だ。 読売、産経新聞の論調が日米安保礼賛である事はまだ分かる。 しかし毎日、東京、朝日などすべてが日米同盟重視の論調なのだ。 特に、かつてはリベラル、反戦の雄とみなされていた朝日新聞の変貌振りが際立つ。 1月19日の朝日は「日米同盟 成果と展望」と題する識者の鼎談が特集されていた。 その顔ぶれを見ただけで朝日新聞の意図が見える。 鼎談の中身を読まなくてもわかる。 外務官僚OBの岡本行夫氏、防衛政務官の民主党議員長島昭久氏、そして元陸将で防衛大学校 教授の山口昇氏、これである。 おまけに司会役が朝日の右派の雄である薬師寺克行政治エディターとなっている。 彼らが語る論説は、ためらうところがない。 「日米安保体制の目的は抑止だということ。『やれるものならやってみろ。そのかわり米国が 報復するぞ』と。」(岡本行夫) 暴力に頼んだガキの喧嘩の発想だ。 「中国や韓国、東南アジアの国にとって日米安保があるから日本を信用できるという意味も あった」(山口昇)。 そこまで信用されていない日本を、元自衛隊幹部として恥ずかしく思わないのか。 「敗戦後しばらくは血なまぐさい話は拒否してきた・・・冷戦が終わると『そんなめでたい世界 ではなさそうだ』」という話が国民の間でも感じられるようになった。一番のきっかけは湾岸戦争だ」 (長島昭久)。 日本も米国の不正義な中東政策に協力して血を流す覚悟をしろとでも言うつもりなのか。 そんな誤った戦争で真っ先に血を流す覚悟が長島にあるのか。 私がここで指摘したい事は、これら三名の、独り相撲のようなたわごとではない。 これらの政治家、官僚、自衛官らが鳩山政権の対米外交を見事に命令している言葉を見つけたからだ。 「米国の(核)拡大抑止に依存している現状を考えた時に、密約の調査結果は今後の政策を縛るもので あってはならない」(長島昭久)。 「僕は日米間に『密約』はなかったと思う。あったのは認識のずれで、それに薄々気づいていたが確認 しなかったということだろう。米国の解釈では一時寄港や領海通過は『持込み』ではない、だから非核三原則 は守っていると。実際、日本が言っているのは3・5原則だ。本来の3原則に一時寄港と領海通過という 0・5がくっついている・・・」(岡本行夫)。 「日米同盟は国際公共財だ。アジア諸国はそれを所与のものとして自分たちの安全保障計画を組み立てて いる」(長島昭久)。 賢明な私のメルマガの読者にはもうお分かりであろう。 これが2月末にも公表される岡田外相の核密約調査報告書の結論となるのである。 そういえば米国の怒りに怯んだ鳩山首相は、ブレーンを米国が嫌った寺島実郎氏から岡本行夫氏に切り替えた と報道されていた。 日米安保50周年記念に発せられた鳩山首相の談話の中には、長島政務官を真似たような次のような言葉 があった。 「日米安保条約に基づく米軍のプレゼンスは、地域の諸国に大きな安心をもたらす事により、いわば公共財 としての役割を今後とも果たしていくと考えます」。 小沢問題ばかりの報道の蔭で、とんでもないことが見逃されている。 最後に一つだけつけたしておきたい。 1月21日の読売新聞に次のような記事を見つけた。 「・・・キャンベル国務次官補は19日国務省で記者会見し、『(普天間問題について)鳩山政権の 高官たちから(決着が得られるとの)言質を得ている』と述べ、米国も納得する形で解決するとの 見通しを示した・・・」 ______________________ お知らせ 以下の通り案内します。 1月28日(木) 午後6時20分 講演 沖縄基地と日米安保の将来 場所 JR王子駅北口2分 北とぴあ第2研修室 問い合わせ 佐野雄二 042-945-6338 2月6日(土) 午後6時開場 講演 鳩山外交に私が望むもの(仮題) 場所 蕨市民会館 048-445-7660 問い合わせ 田中和子 048-444-3210 2月26日(金) 午後5時30分開場 パネルディスカッション 水島朝穂(早稲田大学法学学術院教授) 天木直人 平岡秀夫(衆議院議員・民主党) 場所 弁護士会館2階 講堂クレオ 東京メトロ 霞ヶ関駅 出口B1-b 問い合わせ 第二東京弁護士会 人事課 03-3581-2257 以上 天木直人のメールマガジン 2010年1月21日発行 第21号

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