□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年1月9日発行 第9号 ■ ────────────────────────────── 菅たたきの背景にあるもの ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ メディアの、政治資金疑惑に関する小沢たたきと、為替発言に関する菅直人たたきが、 激しさを増している。 それをマスコミの民主党つぶしだとひとくくりで論じるのはたやすいが、もう一歩踏み 込んで考えなければならない。 今回の小沢献金疑惑と西松献金疑惑との間には明らかな違いがある。 西松献金疑惑は政権交代前夜に起きた。 民主党政権阻止の国策捜査と非難されても やむを得なかった。 堀田、郷原の二人の検察OBの激論で明らかなように、あの時の検察の動きは法技術的にも 無理があった。 ところが今回は違う。 民主党はめでたく政権を取った。検察の動きが不当であれば指揮権を発動できる立場だ。 逆国策捜査ができるはずだ。 それに加え、もしメディアの報じる事が正しければ、西松疑惑と異なる数々の疑惑は募る。 小沢幹事長が参院選で過半数を取って自民党の解体を目指すのであれば、この疑惑を克服 しなければならない。単なるメディア批判だけでは一般国民を納得させることはできない。 その一方で、菅直人の為替発言に関する報道振りは明らかに意図的だ。 これまでにも、財政当局が為替発言をして市場に影響を与えた事は何度もあった。 ごく最近の例では藤井前財務大臣の就任直後の円高発言があった。財務官僚出身のプロであって も口が滑るのだ。 しかし、あの時もメディアは確かに取り上げたが、それだけだった。 ところが今回の菅発言については、それがあたかも菅直人の財務大臣としての不適格性を攻撃 するかのような取り上げ方だ。 鳩山首相や仙谷大臣の批判的な発言を流し、民主党の閣内不一致を煽るような報道まである。 しかも、為替発言に絡めて、菅直人のこれまでの反官僚発言や、勇み足発言を強調し、菅直人の 指導者としての適格性にまで及んでいる。 なぜメディアはここまで菅直人を敵視するのか。 それは政治家菅直人が官僚にとって、最も手ごわい政治家であるからだ。 官僚ともたれあっている大手メディアが菅直人を警戒するのは当然なのだ。 鳩山首相にかわって菅直人首相が誕生する事を、官僚と一緒になって阻止しようとしているかの ごとくである。 ここから先は誰も指摘しない事なのであるが、私は今の日本の問題は、自民党か民主党かといった 政権交代の問題では、もはやないと思っている。 政治主導か官僚主導かといった問題でもない。 今の日本の真の問題は、官僚・メディアが日本を支配するか、それとも、国民が官僚とメディアの 反国民性に気づいて、官僚・メディアを監視し、国民主権を実現するのか。 この壮絶なせめぎあいであると思っている。 国民の支援を受けて、国民のための政治を実現しようとしている民主党政権は、官僚やメディアに とっては敵だ。 本来ならば彼らは反国民的だった自民党の復権のために、民主党政権を引き摺り下ろそうと 画策するところだ。 ところがいかんせんその自民党が崩壊してしまった。 だからといってもはや彼らが支援できる国民政党はない。 たとえそのような政党が、たとえばみんなの党のように、出てきても、脱官僚では後戻りできない。 そうであるならば、政権政党である民主党たたきを繰り返し、民主党を弱くしておくしかない。 そうする事によって、「民主党の政治主導だけでは世の中うまく行かない」、「やはり官僚との 協力関係を維持しなければ日本は行き詰まる」と国民に思い込ませる。 それが、いまや追い込まれた官僚、メディアの思惑ではないのか。 何事にも甘い鳩山首相が首相でいる限りはそれが出来る。 ところが菅直人ではそうではない。だから菅直人政権だけはなんとか阻止したい。 ましてや菅と小沢が一致協力して脱官僚政治にまい進すれば悪夢だ。 これが現実ではないのか。 そうであれば我々は、菅直人と小沢一郎の政治力で官僚とメディアを叩き潰さなければならない。 菅直人と小沢一郎の鉄の結束を期待するしかない。 菅直人と小沢一郎との関係がどのようなものであろうとも、菅直人や小沢一郎がどのような欠点を 抱えていようとも、それしかない。 菅直人や小沢一郎が、真の意味で国民主権を実現しようとしている政治家である事を期待する のみである。 ______________________ 天木直人のメールマガジン 2010年1月9日発行 第9号

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