… … …(記事全文5,445文字)こんにちは、吉野愛です。
気がつけば少しづつ日が短くなっていくのを実感します。昼の長さと夜の長さがほぼ等しくなる今年の秋分日は今週の土曜日、9月23日になります。
ウラジオストクで開催された今年の東方経済フォーラムで、ロシアのウラジミール・プーチン大統領は「極東は21世紀におけるロシアの戦略的優先事項である」と表明しました。
もちろん彼の指す「極東」とはロシアの極東であり、シベリア鉄道の終点であるウラジオストクは急速な発展を遂げるでしょう。現在、ロシア極東・北極圏開発には2,800件の投資プロジェクトが集まっていて、今後の発展の中心はヨーロッパではないことは明白です。
ウラジオストクの香港化だけでなく、北極海航路の開発にも力を入れるのには、ロシアのガスの80%、石油の20%、GDPの15%がロシア北極に眠っているからです。航路と鉄道を接続して物流拠点のネットワークを構築していくはずです。2012年の時点で「北極圏が溶けている」と聞きましたので、現在ではかなり溶けて北極海の航海開発が可能なのだと思います。
また北朝鮮の金正恩総書記も列車でウラジオストク入りしてプーチン大統領と首脳会談を行いました。二国間で運輸、通信、軍事部門の共同プロジェクトを開発しているようですが、ウクライナ戦争が長引くのでロシアとしても優秀な北朝鮮の傭兵を欲していることでしょう。会談中の金正恩総書記の声も姿も大いにメディア中継されていましたので、彼が神隠しする必要もなくなったのだと思います。金正恩総書記のスーツ姿のテタテ会談の様子を拝見して、やはり世界は法人化していると改めて感じました。
目次
● 不正選挙は暴かれない
● 2024年米大統領選挙に向けて
● ボヘミアン・グローブ・クラブ
未来への羅針盤
吉野愛(文筆家、国際政治研究者)