… … …(記事全文4,532文字)こんにちは、吉野愛です。
「ビジネスでも人生でも出し惜しみは良くない」「成功者はそんなことしない」と、よく耳にする言葉です。お金の出し惜しみも一緒です。目的が明確であり、お金を費やすべき点で出し惜しみをするとお金がうまく活用されませんし、運も逃げます。
私の知人で、とってもケチなお金持ちの方がいます。
どのぐらいケチかってそりゃぁ、サンドイッチにマヨネーズを使用しないぐらいケチです。
一度、家に招かれお邪魔した際、知人のバイク(モーターサイクル)のコレクターを見せてもらいました。因みに英語で「バイク」と言えば自転車のことで、日本で言うバイクを英語ではモーターサイクルと呼びます。
知人の家にバイクは計8台はあったのですが、2台は居間に飾られ、残りはガレージに置いてありました。そのなかでも居間に飾られていた一台は、特別なハーレーダビッドソンですが、物凄い値打ちがするそうです。何故なら博物館行きの特別なクラシックで、さらにオリジナルのスペックを長年保ってるためです。
ある日、何かの心変わりか?その知人はバイクをすべて売ることを決意しました。(多分離婚して整理整頓のためと思われます)そして最も値打ちのあるバイクも予想通りの値段で買い手も決まり、全てが順調でした。
しかし、知人はケチです。
そんな値打ち物を移動する際にその手のプロを雇わなかったのです。お金の出し惜しみです。使うべきところで価値を見出せず出し渋った結果、悲劇が待っていました。
このバイクは大きいです。しかも居間にあります。居間は一階ですが、正確にいうと、1.5階です。外に持ち出すには階段を少し降りなければいけません。
一人ぼっちで重いバイクを移動中、階段にさしかかった時、ケチな知人はバランスを崩し、バイクと一緒に転倒。。。
そう、このクラシックバイクに価値があるのは「オリジナルのスペック」を保っているからであって、壊れた部品を直すということはオリジナルではなくなってしまうのです。
買い手側は「これじゃ、1000ドルでも買いたくない」だそうです。人生に出し惜しみは必要ありません。皆さんも賢く生きてください。
目次
● インドから西アジアを結ぶ経済回廊
● ブレトン・ウッズ体制に代わる経済回廊
● 身を殺して仁をなす
未来への羅針盤
吉野愛(文筆家、国際政治研究者)