Foomii(フーミー)

世に倦む日日

田中宏和(ブログ「世に倦む日日」執筆者)

田中宏和

「インフルエンザと同じ」のウソ – 座視等閑と死屍累々の2月

3日にサンデーモーニングに出演した二木芳人が、みなし陽性という制度を導入している国は世界に他にないと言っていた。感染者数として集計してWHOに届ける際、不具合が生じるのではないかとコメントした。国際的なニュースにはなってないが、世界の人々はこの事実に驚愕するだろう。PCR検査体制が不十分なため、陽性者数の全体を捕捉できず、感染対策も不全で劣後したままという国は多くある。だが、それは経済的に遅れた貧しい途上国の話である。 先進国では考えられない。一般的な表象と通念として、日本は世界の中でも公衆衛生の水準が最も高い国で、先進国でも優等生の位置づけで評価されてきた国だ。その日本が、PCR検査ができないために感染状況を把握できない国になっている。しかも、その日本は、コロナ対策費として2年間に7000億ドルの国費を投じてきた国だ。77兆円の予算を注ぎ込んで、PCR検査ができないため陽性者の正確な算定ができない。GDP世界第3位の民主主義の国がである。これはショッキングでミステリアスな出来事だろう。 検査なしにどうやってコロナ陽性と診断するのか。発熱、喉の痛み、咳、頭痛、倦怠感など、コロナの症状は風邪・インフルエンザと似ている。患者の訴える症状だけでは特定できない。そもそも、風邪とインフルエンザも見た目で区別できないから、検査して診断するのである。そうした批判が医師から上がってテレビで紹介されているけれど、報道番組のキャスターやコメンテーターは「仕方がない」で済ましている。国会が開かれているのに、野党はこの政府決定をまともに追及しない。何のために77兆円も税金を使っているのか。 私はずっと、野党はコロナ専門家チームを作れと提唱し続けてきた。コロナのシャドーキャビネットの機能を持てと訴えてきた。専門家の知見がないと、政府の判断や方針を説得的に批判できず、オルタナティブのソリューションを提案・対置できないからである。枝野幸男はこの問題に関心がなく、政府与党にまともに対抗しようとせず、国民を救う実務の政策力を示して世論の支持を得ようとしなかった。枝野幸男には政治のセンスがなかった。執行部が変わったから動くだろうと期待していたが、泉健太も何もせず無能野党のままだ。
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