昨日(1/25)、今日(1/26)と久しぶりにモーニングショーを見た。やはりコロナ報道ではこの番組が他に抜きん出ていて、必要で正しい情報を届けていると痛感する。2日間の放送で現在の第6波の厳しい現状をよく知ることができた。コロナは足が速い。オミクロン株は特に速く、あっと言う間に昨年8月の恐怖の世界が再現されている。オミクロン株は毒性が低く軽症で済むから大丈夫、社会経済活動を止めずにウィズコロナで乗り切ろう、というのが先週までの日本の共通認識であり、支配的な空気感だったが、その楽観論が一気に消し飛んだ。 これまで隠れていた尾身茂や釜萢敏が急にテレビに出てバタバタ立ち回っている。昨日(1/25)はNHKが夜10時からオミクロン株のNスペ番組を放送した。普通は週末の夜9時に流す内容だ。政府内に緊張が走っていて、国民に緊急で行動規制のメッセージを伝えようとしている事情が窺える。第6波の危機が本格化し、想定を超えた大きな被害が出ると察したのだろう。3回目接種が未達で人高齢人口の割合が高い日本は、欧米諸国とはオミクロン禍の前提条件が異なる。 25日のモーニングショーの報道で知った事実は2点あり、一つは検査キットが払底していることで、もう一つはすでに医療逼迫が始まっていることだ。検査キットがない。検査ができない。感染者が増えすぎて需給が追いつかなくなり、医療機関で使う抗原検査キットがなくなった。PCR検査キットについてもおそらく払底しているのだろうが、メーカーに在庫があるという噂も一部にある。常識で考えれば、抗原検査キットがなくなるくらいだからPCR検査キットも入手困難だろう。厚労省が出した「検査なしでも感染したと診断できる」という新方針は、要するに検査キットがないため、症状を診て医師が感染だと判断するということだ。 この問題を25日の衆院予算委で日本共産党の議員が質問していて、政府側は、460万回分の抗原検査キットの在庫があり、さらにメーカーに1日80万回の増産を要請していると答弁していた。25日朝にモーニングショーに出演した仁木芳人は、460万回分の在庫なら2日で空になると述べ、1日80万回の増産もすぐの達成は厳しいだろうと解説した。抗原検査とPCR検査のキットがなくなり、検査そのものが物理的に困難になるため、厚労省の上の方針が出たのである。しからば、症状が出れば簡単に医師の診断を受けられるかというと、どうやらそうでもないようで、厚労省は、「若くて低リスクの人は必ずしも受診しなくてよい」という方針も併せて出している。… … …(記事全文3,843文字)
世に倦む日日
田中宏和(ブログ「世に倦む日日」執筆者)