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世に倦む日日

田中宏和(ブログ「世に倦む日日」執筆者)

田中宏和

左派は次の参院選をどう戦うべきか - 改憲阻止のための「選挙三分の計」

16日、立憲民主党の代表選に泉健太と逢坂誠二が立候補を表明した。今日17日には西村智奈美も出馬するという報道が出て、3人が立つと党の左側の票が割れる懸念がある。逢坂誠二を担いだのは、昨年の合流新党の代表選において枝野幸男支持で纏まったところの、すなわち「枝野立て」党の主流派だと思われる。一本に纏まらないと泉健太に負けるが、ジェンダーの体裁と演出も党として要る。が、その逢坂誠二が左派寄りかというと必ずしもそうではなく、実際のスタンスは告示後の政見と討論の中で明らかになるだろう。 立憲民主党が共産党との関係の見直しに舵を切るのは確実な情勢だ。投票日までの間、マスコミ(特に松原耕二の報道1930)は、徹底して泉健太応援の論調を盛り上げるはずで、逢坂誠二に対して「共産党に寄りすぎている」と執拗に叩き、共産党との絶縁を迫る生放送を繰り返すだろう。月末までテレビは共産党叩き一色で染まることが予想される。誰が代表になっても、今までの「野党共闘」が維持継続されることはない。 衆院選と参院選は違う。衆院選は全国に小選挙区があるが、参院選は都市部は複数人区制であり、野党の共闘の内実が問題になるのは32の1人区だけとなる。いわゆる「1対1の構図」が衆院選ほど大きな焦点にならず、むしろ政党間のフリーな戦い、すなわち政党個々の議席獲得の方に重点と関心が移る。しかも、32の1人区の多くは自民党現職が圧倒的に強い地方県であり、野党共闘が実質的に注目になるのは、敢えて言えば甲信越と東北諸県と沖縄だけでしかない。 泉健太が代表になった場合は、新潟と長野と山梨を除くほぼすべての県で「野党共闘」を解消するだろうが、逢坂誠二の場合はテクニカルに調整処理して、それらの県で共産党候補が降りる算段を上手く工夫するのではないか。いずれにしても、参院選の1人区は、最初から野党統一候補を立てる方式を採らず、あくまで立憲民主党の候補で戦い、共産党が降りるのならどうぞという手法を貫徹するだろう。従来の、市民連合による共通政策の調停と合意というプロセスは消滅し、共産党とは明確に線を引くだろう。
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