Foomii(フーミー)

世に倦む日日

田中宏和(ブログ「世に倦む日日」執筆者)

田中宏和

この選挙の争点は何なのか – 争点を勝手に「バラマキ批判」にしたマスコミ

24日に行われた参院静岡補選で、自民党の候補が意外な大差で敗れた。何と、無党派層の7割の票が野党候補に流れる結果となっている。この選挙で野党が勝つとは誰も予想しなかったし、ここまで票差が開くとも思わなかった。衆院選投票日の一週間前の重要な前哨戦であり、自公にとっては絶対負けられない選挙だ。この選挙では共産候補が立っていて、野党統一候補での1対1の構図になっておらず、それゆえに衆目も、僅差となっても与党の勝ちだろうと踏んでいた。 もし本気で野党側が勝ちを取りに行くのなら、議席を取れる読みがあったなら、共産党を降ろす努力を粘っただろう。岸田文雄も二度静岡に入っている。この結果は自公の惨敗と言っていい。なぜこのような惨敗となったかの原因分析については、川勝平太が野党候補の応援に回ったことと、リニアの問題が影響しているという現地の特殊事情が解説されている。その要素はあるにせよ、それでも5万票の差は大きいし、無党派層の7割が野党に入れたという事実は衝撃的だ。 国政選挙であり、全国が注目する衆院選の前哨戦であり、リニアが争点の第一になったわけではあるまい。開票の中身を見ると、投票率の低さが目につく。一般に、単独日程で行われる補選は投票率が低く出る傾向があるけれど、それでも、今回の45%という数字は低すぎる。前回2年前の参院選の実績よりも5ポイントも下がった。そして、投票率の低い選挙では、盤石の組織を持つ自民党が圧倒的に強いという見方が定説なのに、その低投票率の選挙で自民党が負けた。共産候補が立った安牌の選挙であるにもかかわらず。これはやはり、自民党に逆風が吹いているという推測をするしかない。 自民支持層の2割が野党候補に投票していたという出口調査からも、自民党への逆風が頷ける。日経が23日に出した情勢記事にもその状況が窺える。4年前は15選挙区で自民党が13勝2敗と圧勝した埼玉県で、今回は五分五分となり、僅かながら野党が優勢になっているという調査結果が示されていた。ただ、有権者が野党を積極的に支持しているわけではないことは、2年前の参院選時と較べて、静岡で野党の得票総数が減っている事実からも観察できる。
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