━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/05/23 原発再稼働暴論跋扈は不正な東電救済が原因 第235号 ──────────────────────────────────── 「福島の再生なくして日本の再生なし」と言うが、その福島は放射能の汚染で 悲惨な状況に置かれている。 悲惨な状況に置かれているのは福島だけではない。周辺都県でもまったく同様 だ。 福島を含む地域一帯は、日本でも有数の観光名所であり、同時に、農林水産業 の宝庫であった。しかし、放射能汚染により、その価値に暴落が生じている。 すでにそうであるが、今後も激しい勢いで事業の破たん、倒産、失業の嵐がこ の地帯全体を襲うことになる。 かけがえのない大地、かけがえのない自然環境が損なわれた。 放射能の最大の特徴は、その影響の除去に気の遠くなる時間がかかることであ る。 日本の法令は、自然環境を人為的に汚染すること、有害物質を放出することを 禁止している。その有害物質の放出により人間や自然環境に危害を加えれば、 当然のことながら刑事罰の対象になる。 多くの主権者国民が、二度と同じ事故を発生させてはならないと考えている。 二度と事故を引き起こさないためには、事故の原因を明らかにして、その原因 に従って、万全の再発防止策を取ることが不可欠だ。 事故が発生したきっかけは明確である。巨大な地震と津波である。 この地震と津波を取り除くことができるのなら、原発の不安をかなりの程度は 除去できるだろう。 しかし、残念ながら、現在の科学技術の水準で、地震と津波そのものを除去す ることはできない。今後も地震と津波は発生するだろう。 今回東北地方の太平洋地底で発生した地震および津波は、これまで何度も繰り 返されてきた規模の地震と津波であった。 過去の事例では、ひとたび大きな地震が発生する局面では、短期間に同規模の 大きな地震や津波が繰り返されることが多い。 この分野の専門家である神戸大学の石橋克彦氏は、日本が地震の活動期に入っ… … …(記事全文5,039文字)
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植草一秀(政治経済学者)