━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/05/22 劣化著しい日本経済新聞の凋落 第234号 ──────────────────────────────────── 国会でようやく消費増税論議が始まったが、メディアは金環日食一色である。 5月22日はスカイツリー一色になるのだろう。 そうして、7月27日から8月12日まではロンドンオリンピックが開催され るから、オリンピック一色になるだろう。 その前の6月3日からはサッカーワールドカップのアジア最終予選が始まるか ら、サッカー一色になるのだろう。 NHKは消費増税の賛成論と反対論の全面討論をまったくやらない。 意図的に徹底論戦を行わないのだ。 こんな状況で公約違反の消費増税を決定することは許されない。 5月21日付日本経済新聞オピニオンのページに、同紙論説委員長の芹沢洋一 氏による「ポピュリズムよさらば」と題する署名記事が掲載された。 芹川氏は、かの悪名高い、小沢一郎氏攻撃マスコミ組織「三宝会」世話人を務 めた人物である。 共同通信社の後藤謙治氏も同じ世話人を務めている。いまも、小沢民主党を叩 くことをなりわいとしているのだと思われる。 また、芹川氏は私がかつて主査を務めていた21世紀臨調(「新しい日本を作 る国民会議」)政治部会の委員も務めていた。 「ポピュリズムよさらば」に示される主張の奇妙さは特記に値する。 要するに、消費増税反対論を叩くための文章であるわけだが、基本的に論理が 破綻している。 芹川氏は米国で、欧州で、そして日本でポピュリズムの暗雲が浮かんでいると する。 芹川氏は大衆迎合主義という訳を用いているが、そもそも、この訳語を用いて いるところから芹川氏の勉強不足は明白だ。… … …(記事全文5,458文字)
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植草一秀(政治経済学者)