━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/05/24 小沢-野田会談で野田氏は消費増税案撤回すべし 第236号 ──────────────────────────────────── 昨日のブログおよびメルマガ記事に記述した内容について、誤解を生じる恐れ があるために補足して記述したい。 大阪による、電力供給がどうしても足りないというなら、一時、臨時、最小で 原発を稼働してはどうかとの提案を「コロンブスの卵」だとして評価した。 その真意は、いかなることがあっても、なし崩し的に原発の全面的な再稼働を 認めるべきでないというものである。 目指すべき方向が原発再稼働を認めないというものであることは言うまでもな い。 しかし、政府が原発再稼働に向かって暴走姿勢を強めているため、最悪のケー スとしての原発全面再稼働の方針提示に対する備えを強めておくことが肝心で あることを強調したかったのだ。 もちろん、原発の一部再稼働に賛成するというものではない。 計画停電を実施してでも、原発稼働無しに今年の夏を乗り越えるべきであると 考える 大阪市提案に対する藤村官房長官の発言では、原発再稼働は必要最小限ではな く、トータルな経済性等を勘案して判断するとされており、必要最小限ではな く、順次稼働を念頭に置いた発言を受け止められる。 順次稼働と最小限稼働との間には天と地の開きがある。 米官業利権複合体の利益を追求する野田政権は、必要最小限稼働を検討してい るのではなく、順次再稼働、原発全面再稼働を狙っていると判断できる。 この全面再稼働、原発フル稼働に暴走することを絶対に阻止しなければならな い。 そのためのひとつのステップとして、現段階で、「順次再稼働」ではなく「必 要最小限稼働」という形で外堀を埋めておくことが必要である。 万が一、再稼働の方向に事態が進んでも、絶対になし崩し的な全面再稼働、順 次稼働に突き進まないように、絶対的な予防線を張っておく必要がある。 その意味で、本当に電力供給が追い付かない場合で、万が一原発を稼働させる 場合でも、一次、臨時、最小の原則を守らせることが肝要である。 そのことを伝えたかったのである。原発再稼働を容認することではなく、万が 一、再稼働の方向に政権が暴走しても、その暴走を食止める歯止めの論議を行… … …(記事全文6,222文字)
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植草一秀(政治経済学者)