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小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~

小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)

小菅努

ギリシャ危機でプラチナ相場急落も、生産コスト論が盛り上がらない理由

□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□            小菅努のコモディティ分析        ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年07月07日(火)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。プラチナ価格の軟化傾向が続いています。春先には1オンス=1,100ドルでサポートされていましたが、今やその1,100ドルが抵抗線に転換してしまった感のある相場環境です。ギリシャ危機で金価格は若干ながら輝きを取り戻していますが、こうした中でもプラチナ相場が弱含んでいる背景、更には相場急落でも生産コスト論が盛り上がらない理由などを検証します。 ===================================  ギリシャ危機でプラチナ相場急落も、生産コスト論が盛り上がらない理由 =================================== <金・銀とは違うプラチナの通貨性> プラチナ相場の低迷が続いている。NYMEXプラチナ先物相場は米国の独立記念日明けとなる7月6日の取引で1オンス=1,049.00ドルを記録し、2009年3月以来となる約6年3ヶ月ぶりの安値を更新している。7月5日に実施されたギリシャ国民投票では、ギリシャ国民が財政再建策の強化を受け入れないとの民意が示されたが、それを受けてのグローバルマーケットの混乱状況が、他の工業用素材市況と同様にプラチナ相場の上値も強力に圧迫した結果である。 昨秋以降のプラチナ相場を振り返ると、概ね3~4ヶ月のタイムスパンを経て取引レンジを100ドル切り下げる展開が続いているが、早くもプラチナ価格の3桁台突入が視界に入り始めている。このペースが維持されると仮定すれば、今秋までには1,000~1,100ドル定着を試し、その後は年末に向けて1,000ドルの節目割れを打診する流れになる。
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