□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年07月04日(土)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。6月の東京ゴム相場は、月間では2014年4月以来で最大の下落幅を記録しました。天然ゴム需給よりも、円高や上海ゴム相場安といった外部環境からネガティブな刺激を受けた結果と考えています。今回は、主に上海ゴム相場動向とそれが東京ゴム相場動向に及ぼす影響を中心に、最新の天然ゴム相場環境を解説します。 =================================== 上海ゴムの視点からみた東京ゴム価格動向、中国系ファンドのかく乱続く =================================== <上海ゴムと東京ゴムの関係> 東京ゴム先物相場は、6月2日の1kg=247.90円をピークに同30日には216.10円まで、ちょうど4週間で31.80円(12.8%)の急落地合を形成した。しかし、7月入りしてからは220円の節目水準で強弱感が交錯する展開になっており、明確な方向性を打ち出せていない。5月下旬に円安連動で急伸する前の価格水準に回帰した形で、一息入れたいとのムードが支配的になっている。円相場の水準を考慮すれば220~230円水準が適切と考えているが、円安局面で円建てゴム相場は過剰な上昇となる傾向が強い反動で、円高局面では過剰な下落となる傾向が見受けられる。 東京ゴム相場の価格形成がどのような論理で行われているのか、分析が難しい局面を迎えている。ただ確かなことは、6月以降は上海ゴム相場が急落地合を形成していることだ。上海ゴムは4月下旬に1トン=1万2,000~1万3,000元水準から突如、1万5,000元水準まで急騰したが、足元では1万3,000元水準まで急反落している。何か上海ゴム相場に特有のネガティブ材料が存在する訳ではないが、世界最大の天然ゴム消費国である上海ゴム価格の動向を無視するのは難しく、東京ゴム相場も連れ安しているというのが実態だと考えている。… … …(記事全文4,504文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)