□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年07月03日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。金価格は緩やかなペースで下値を打診する展開を維持しています。ギリシャ危機を巡って大きな不確実性に包まれていますが、金市場では金に対する退避需要はいずれにしても盛り上がらないとの評価が優勢です。こうした中、6月末で金相場は4四半期連続の下落が確定しました。過去にこうした長期ダウントレンドはどのような環境で形成されたのか、歴史からも学んでみたいと思います。 =================================== ドル建て金相場は4四半期連続で下落、前回の4四半期連続安を振り返る =================================== <4四半期で下落した金相場の歴史> 4~6月期のCOMEX金先物相場は、1オンス当たりで前期比-11.40ドルの1,171.80ドルで取引を終了した。これで4四半期連続のマイナス相場であり、累計で150.20ドルの下落となる。金相場が4四半期連続のマイナス相場になったのは1996年4~6月期から97年4~6月期にかけての下落局面以来、18年ぶりのことである。 この96~97年がどのような時代だったかと言うと、当時のアラン・グリーンスパン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が「根拠なき熱狂」と評したように、米国は空前の資産バブルの状態にあった。強いドル政策は海外からの資金流入を招き、株高が資産効果から個人消費を押し上げ、それが更なる好景気を演出する米国の投資市場が沸騰状態に陥った時代だった。金利は強力な低下圧力に晒され、金利も配当も生まない金(Gold)は投資対象として最低に近い評価を受けていた。… … …(記事全文5,040文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)