□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年06月29日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。昨年後半の原油相場急落を受けてシェールオイル生産環境は大きなダメージを受けていますが、ここにきて一部地域ではリグ数の回復が報告され始めるなど、原油安への対応が急ピッチに進んでいます。こうした中、主要生産地であるオクラホマ州において、シェールオイル規制の議論が活発化していますので、最新状況を報告します。また、WTI原油相場について、今回はガソリン相場からの視点も紹介します。 =================================== オクラホマで中規模地震が頻発、シェール開発のフラッキングが原因? =================================== <シェールオイル主産地であるオクラホマ州の悩み> 米オクラホマ州で謎の地震が頻発している。米地質調査所(USGS)によると、1975年から2009年まで、同州で震度3以上の地震発生頻度は年1~2回程度だった。しかし、2013~14年後頃から地震多発が報告され始め、今年6月は17~24日までの1週間だけで35回の地震が観測されている。本稿執筆時点で過去24時間の地震発生統計をみても、震度3以上は6回に達しており、地質的に安定したこの地域としては異常な状態になっている。こうした状況を受けて、オクラホマ州のスポークスマンは6月24日、州のエネルギー規制当局が石油と天然ガスの掘削活動に対する規制強化を検討していることを明らかにした。 オクラホマ州で地震が頻発し始めた時期は、シェールガス・オイルの開発が本格化し始めた時とほぼ一致しており、かねてから「シェール犯人説」がささやかれていた。例えば、米コーネル大学は2014年7月に、シェールオイル開発で生じた廃水が地中に捨てられた結果、廃水が地層内で潤滑油の役割を果たして、地震を頻発させているとの分析を発表している。また、USGSも今年2月に「フラッキング(fracturing=水圧破砕)」がオクラホマ州で頻発する地震の原因との報告書をまとめている。… … …(記事全文4,120文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)