□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年06月26日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。6月下旬のシカゴ穀物相場は、全面高の展開になりました。これまでは潤沢な在庫見通しを背景に上値の重い展開が続いていましたが、産地の天候不順でこうした従来の見通しに不確実性が高まっている結果です。3月末には作付け面積という大きなイベントも控えていますが、最新の天候相場環境を解説します。 =================================== 産地豪雨に右往左往するシカゴ穀物相場、潤沢な在庫見通しに黄信号 =================================== <産地の豪雨に敏感に反応するシカゴ穀物相場> シカゴ穀物相場が急伸している。CBOTトウモロコシ先物相場の場合だと、6月15日には1Bu=346.75セントまで値下がりし、昨年10月1日以来となる約8ヶ月半ぶりの安値を更新していた。しかし、直近の6月25日終値は376.50セントに達し、過去2ヶ月の下げ幅をほぼ帳消しにする値動きを見せている。より大きな値動きを見せているのがCBOT大豆先物相場であり、こちらは5月26日の920.50セントをボトムに、6月22日の取引では1,000セントの大台を回復している。僅か1ヶ月前は900セント割れが時間の問題と言われていた相場が、気付いてみれば1,000セント台を回復して、3月11日以来の高値を更新している。 この時期の米国産穀物は天候相場となるが、そのクライマックスを迎える前哨戦の段階で、早くもリスクプレミアム加算の必要性に迫られている。一般的に穀物相場の世界では、トウモロコシは7月の天候、大豆は8月の天候が育てると言われている。イールド(単収)の決定に極めて重要な受粉期にかけての降水量・温度が極めて重要なためだ。その意味ではまだ天候相場の本番を迎えている訳ではないが、「異常気象」と評しても過言ではない荒れた気象環境が、リスクプレミアムの加算を促している。… … …(記事全文4,499文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)