□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年06月22日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。国際原油市況は既に1ヶ月半以上にわたって膠着気味の展開が続いています。短期でみると比較的大きな値動きもありますが、トレンドの形成ができない状況です。基本的な相場分析、見通しに変化はありませんが、ここ1週間程度の最近動向をアップデートします。 =================================== ロシアとサウジの協力関係構築が進む、原油安を放置する伝統的産油国 =================================== <ロシアもOPECの増産政策を追認か?> ロシアのサンクトペテルブルクで6月18日に開催された国際経済フォーラムにロシアのノバク・エネルギー相とサウジアラビアのヌアイミ石油鉱物資源相が出席し、二カ国のエネルギー相会談が実施されたことが確認されている。具体的な協議内容については明らかにされていないが、原油生産・取引などの幅広い分野で「合意」したことまでは確認が取れており、サウジアラビアとロシアという二大産油国の接近が強く印象付けられる状況になっている。 ロシアは、6月5日の石油輸出国機構(OPEC)総会に先立つ同3~4日にもOPECとの協議を行っている。原油相場の急落時代を迎える中、新たな国際原油秩序の枠組構築の必要性を認識していることは間違いない。2000年代中盤以降のロシアは、エネルギー資源を背景に「強いロシア」の復権を目指してきたが、ウクライナ情勢を受けて西側諸国との経済取引を拡大することが難しい状況になる地政学環境の悪化も手伝って、エネルギー資源売却収入の減少は死活問題になっている。実は、OPECとの協力関係構築にはOPECよりもロシアの方がより積極的であり、ロシアの強い危機感が窺える。… … …(記事全文4,203文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)