□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年06月10日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。WTI原油相場はボラティリティを高めながらも、方向性が定まらない展開が続いています。幾つかの相場ポイントの強弱評価が難しいことで、売買が交錯する不安定な地合になっています。ただ、ブレント原油相場の方は値下がり傾向を見せ始めており、WTI原油のみをみていると原油相場の地合の評価を見誤ります。現在の原油相場の議論の分岐点を紹介します。 =================================== シェールオイルは7月も減産へ、ブレント原油とWTI原油の異なる評価 =================================== <白旗を揚げた投機買い> NYMEX原油先物相場は、1バレル=60ドルの節目を挟んで強弱感が交錯する不安定な地合が続いている。5月6日の62.58ドルで当面のピークは確認した形になっているが、改めて本格的に売り込むような動きも鈍く、50ドル台後半から更に値崩れを起こすような動きまでは見られない状況になっている。 余り指摘されていないが、こうした原油相場が方向性を欠いている最大の要因は、ドル相場のトレンドが定まっていないことだと考えている。6月5日に発表された5月米雇用統計は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ着手を支持する内容になり、米長期金利は明確な上昇傾向を見せている。10年債利回りの場合だと、5月は2.1~2.3%水準での取引になっていたのに対して、直近の6月9日時点では2.438%まで上昇している。しかし、6月はそれ以上にドイツ国債などの欧州債利回りの上昇幅が大きく、金利環境からドル高の動きを一段と押し進めることに失敗している。… … …(記事全文5,228文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)