□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年06月05日(金)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。久しぶりに砂糖相場を取り上げます。今日の午後は、某新聞社の取材対応で1時間ほど、砂糖・コーヒー・天然ゴム相場について話ました。なかなか、砂糖相場をカバーしているアナリストがいないようですが、当メルマガでは今後も月1度程度のペースでカバーを続けたいと思います。引き続きレアル相場の動向が最大の関心事になりますが、最近の相場動向や今後にテーマ化されるリスクなどについて、ポイントを絞って解説します。現状では分かり易い相場環境になっていますが、従来とは違った論理が持ち込まれるリスクが浮上しています。 =================================== 砂糖相場のレジームチェンジが続く、反発シナリオはインドの輸入国化か =================================== <レアルと砂糖価格とのバランスに注意> ICE砂糖先物相場は、1ポンド=12セント水準で上値の重い展開が続いている。為替市場でブラジル通貨レアルの急落傾向に歯止めが掛かる中、5月13日には一時13.60セントまでの切り返しを見せていた。しかし、その後はレアル安の再開と連動して改めて下値追いの展開となり、5月27日には11.83セントを記録するなど、改めて年初来安値を更新する展開になっている。チャート上は12セント水準で二番底(Wボトム)形成を打診する展開になっているが、同水準を完全に下抜くと10.50~11.00セント水準まで一気に下値が切り下がる可能性もある状況になっている。 砂糖需給に関する動きが全く存在しない訳ではないが、引き続きマーケットの関心はレアル相場の動向に集中している。レアル安が続く限りにおいては、ブラジルの砂糖生産者は手元在庫の売却を限界まで進めるのが合理的な行動になる。それによってブラジル国内需給が不安定化する可能性はあるものの、特に農産物は時間の経過が品質の低下・劣化を招くこともあり、為替レートが輸出環境に決定的とも言えるインパクトを及ぼすことになる。… … …(記事全文4,131文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)