□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年06月03日(水)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。天然ゴム市況の短観です。短期相場動向としては円相場の動向が注目されているマーケットですが、ここにきて需給面に対する関心も徐々に高まっています。4月以降は何か大きな変化が生じている訳ではなりませんが、その変化が生じていないことが、注目を集めています。 =================================== 円安だけではない天然ゴムの上昇リスク、エルニーニョ現象は続いていた =================================== <円安が過大評価されるのは仕方ない> 東京商品取引所(TOCOM)の天然ゴム先物相場は、5月上旬から中旬にかけての1kg=215~225円水準での保ち合い相場を経て、6月入りしてからは240~250円水準まで値位置を切り上げる展開になっている。6月2日の高値は247.90円に達しているが、これは2014年1月24日以来の高値更新となる。 ここにきて改めて東京ゴム相場が急伸している最大の原動力は、間違いなく円安である。5月は「米経済の減速→米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ着手に対する不透明感→ドル高是正(=ドル安=円高)」の流れが円建てゴム相場の上値を圧迫したが、改めて米金融政策の正常化プロセスに対する信認が取り戻されつつあることが、円安を経由して円建てゴム相場を押し上げている。これは全ての輸入コモディティに共通するテーマだが、東京ゴムとドル/円相場の相関係数(-1~+1の間で両係数の相関度を示す)は過去1ヶ月の検証期間で+0.82に達しており、5月下旬以降のゴム相場上昇は円安と歩調を合わせた動きであることがほぼ確実視できる状況にある。… … …(記事全文4,162文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)