□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年05月25日(月)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。4月下旬に大きく上昇した天然ゴム相場ですが、5月入りしてからはやや上値の重い展開を強いられています。この時期は、生産地が減産期明けを迎えるのが例年のパターンですが、今年の生産地はどのような状況にあるのでしょうか。現在のタイを中心とした生産環境、生産国の価格対応、需要家の買い付け状況など、最新状況を解説します。 =================================== 急騰地合が息切れした天然ゴム相場、短期需給の逼迫報告も聞かれるが =================================== <内部要因主導の調整が続く> 4月下旬に急騰劇を演じた天然ゴム相場であるが、5月中旬以降は調整売りに上値を圧迫される展開になっている。主要生産地でなお減産期型の供給環境が報告される中、短期需給バランスに対して特別に緩和圧力が強くなっている訳ではない。逆に、需給の引き湿りを指摘する声も聞かれ、季節要因が一定のサポート要因になっていることは間違いない。加えて、生産国・生産業者の市況対策に対する警戒感も根強く、大きく値崩れを起こす必要性までは高まっていない。 ただ、4月下旬の急騰は専ら内部要因に基づく投機色の強い値動きだっただけに、その当時に買いを膨らませていた投機筋の利食い売りが膨らんでいることが、調整圧力に直結している。東京商品取引所(TOCOM)の場合だと、非当業者(個人投資家やファンド)のネットロング(買い越し枚数)は4月15日時点の911枚から28日時点では7,348枚に達した。しかし、その後は2週連続でネットロングの削減が進み、直近の5月20日時点では3,933枚に留まっている。すなわち、4月下旬に投機筋の売買バランスがほぼフラット化したことが値頃買いを誘ったが、あくまでも自立反発狙いの買いだった模様であり、早くも利食い売り圧力に晒されているのが現状である。… … …(記事全文4,718文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)