□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ 小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~ 2015年05月23日(土)発行 □■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□ ご購読ありがとうございます。前日は金需給環境を検証しましたが、本日は通貨的な視点に基づく金価格の短観です。今週は、FOMC議事録公開、イエレンFRB議長の講演と比較的大きなイベントがみられましたが、金市場の視点からこの二つのイベントをどのように消化すべきかを中心に考えてみます。 =================================== イエレンFRB議長にみられた小さな変化、金価格への追い風が止み始める =================================== <長期トレンドを抜け切れなかった金相場> COMEX金先物相場は、3月17日に1オンス=1,141.60ドルまで値位置を切り下げるも、昨年11月の1,130.40ドルを割り込むまでには至らず、ダウントレンドを出し切れなかった。逆に、1~3月期の米国内総生産(GDP)が前期比年率+0.2%(昨年10~12月期は+2.2%)と急減速する中、米連邦準備制度理事会(FRB)の金融政策正常化プロセスが着実に消化されるのかという不安心理を背景に、3月下旬以降は1,175~1,225ドルまで若干ながら値位置を切り返しての展開になっている。 コモディティ市場では200日移動平均線を長期トレンドとして重視する傾向が強いが、5月14日には1,220.40ドルにあったこの200日移動平均線をブレイクしたことで、長期ダウントレンドが転換したとの分析も多く見かけるようになった。今年は、ギリシャ情勢が緊迫化した1月にも200日移動平均線をブレイクする場面が見られたが、その際には金相場は短期間に50ドル幅の急伸地合を形成している。その相場展開を再現するだけで1,300ドル水準を試すことも可能というのが、主にテクニカル分析の分野で多く見掛けた分析内容だった。… … …(記事全文4,814文字)
小菅努のコモディティ分析 ~商品アナリストが読み解く「資源時代」~
小菅努(商品アナリスト/マーケットエッジ代表)