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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

チャイナスクールが中国大使に返り咲いたと騒ぐ愚かさ
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年3月14日第224号 ■   ==============================================================   チャイナスクールが中国大使に返り咲いたと騒ぐ愚かさ  ==============================================================  外務省という役所は、ほかの役所に比べれば得をしている役所だ。  なにしろ、外交といえば一般人は近寄れないという迷信がいまでも通用するからだ。  だから、外交を一手に引き受けている外務省は、それだけで偉いと思われている。  それをいい事に、あること、なすこと、すべてもっともらしくなってしまう。  これから書くこともその典型例だ。  日本の駐中国大使が交代するらしい。  そして次期大使に横井裕駐トルコ大使がなるらしい。  なんの変哲もない、ただの外務省の定期異動人事だ。  ところが、これをチャイナスクールの復活だと、各紙が一斉に大きく報じている。  つまり、中国語を専攻した外務官僚が駐中国大使に返り咲くのは久しぶりだといって、それに特別の意味をつけようとしているのだ。  民主党政権下で丹羽宇一郎元伊藤忠社長が駐中国大使に民間登用されて以来、米語の西宮大使、仏語の木寺大使と続いた。  だから中国語の横井氏の起用によって、チャイナスクールが復活したというわけだ。  それだけならまだいい。  この人事を、中国本土での情報分析能力の強化である、と書く報道がある。  もっと笑ってしまうのは、中国との関係改善の布石である、と書く報道があることだ。  いずれも、もっともらしいが、まったく根拠はない。  そもそも、チャイナスクールだから中国の専門家だ、親中国だ、という決めつけ自体が間違って独り歩きしている。  チャイナスクールといい、あるいはロシアスクール、アメリカスクールといい、その意味するところは、入省直後の語学研修で、どの言葉を専攻させられたか、だけの呼称だ。  確かにその後の勤務で、その国へ勤務したり、その国との外交を担当する ことが多いが、それだけの話だ。  専門家になるかどうかは本人次第であるし、その国を好きになるか嫌いになるかも個人によって異なる。  ましてや情報収集・分析能力や、外交能力などは、語学研修とは全く関係ない。  何よりも、チャイナスクールが駐中国大使になったところで、安倍外交の下では日中関係が改善するはずもない。  これを要するに、外務省関係の報道は、根拠ない報道が独り歩きしていることが多い。  今回の報道もその典型だ。  外務官僚たちはさぞかしほくそ笑んでいるだろう。  こういう迷信が通用しているから、自分たちのやっていることがごまかせるのだと。  元外務官僚が言っているのだから間違いない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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