□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年3月11日第213号 ■ ============================================================== 取り調べの可視化は検察を守る為にも有益である ============================================================== 栃木県今市市(現日光市)で起きた小学一年女児殺害事件は、実に痛ましい事件だった。 だから地元の下野新聞はその公判について連日詳しく報じている。 栃木県に住んでいる私はそれを毎日読んでいる。 その第8回公判で、取り調べの録音・録画の一部が公開された。 それに関する記事を読んでつくづく思った。 検事取り調べの可視化はいまや検察を守るためにも不可欠だと。 これまでの議論では、可視化は被告を冤罪から守る為に必要とされてきた。 しかし、このたび公開された録音・録画は、取り調べの過程で検察が不当な尋問をしていなかった、被告がウソの供述をしていた、そう思わせるものだった。 被告がウソの供述をし、それが情状酌量の根拠にされたら被害者の両親はたまったものではない。 今度の取り調べ録音・録画の公開は、そのような、いわば逆冤罪を防ぐために有益だったのだ。 そして、その公開された録音・録画は、検察が一方的、恣意的に公開したものではなかった。 被告の弁護団と検察が調整して決めたものだった。 これを要するに、検察はもはや取り調べの可視化に反対する理由はどこにもないということだ。 もはや検察は、取り調べの可視化に反対したところで、それをいいことに不当な取り調べなどできるはずがない。 ましてや自白の強要など出来るはずがない。 そんな事をすれば、ばれた時の悪影響は致命的だ。 それよりも、犯罪者にウソの供述をされ、検察批判の濡れ衣を着せられるほうがはるかに被害甚大だ。 検察が取り調べ可視化に応じれば可視化は実現する。 今市市の少女殺害事件は、「検事取り調べ可視化」論争に決着をつけてくれたということである(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)