□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年3月8日第205号 ■ ============================================================== 国連に否定された慰安婦問題に関する日韓合意の自業自得 ============================================================== きょう3月8日のメディアが一斉に報じた。 国連女子差別撤廃委員会は7日、「慰安婦問題は未解決の多くの課題が残され、遺憾である」とする報告書を発表した、と。 これは昨年12月28日に電撃的に発表された慰安婦問題に関する日韓合意を国連が否定したということだ。 安倍政権擁護のNHKと読売新聞が一番大きくこれを報道した。 もはや、ごまかす事は出来ないと観念したごとくだ。 無理もない。 どう考えても不自然、不透明な合意だったからだ。 しかし、私が自業自得と書いたのは、それだけではない。 国連女子差別撤廃委員会がこのような否定的な報告を出した最大の原因が、その委員会に臨んだ安倍外交にあったからだ。 きょう3月8日の朝日新聞が書いている。 外務省は、日韓合意の中で、今後慰安婦問題について国連などで互いに非難することを控えるとしたため、当初は多くを語らない方針を固めていたという。 ところが、安倍側近の衛藤晟一首相補佐官らが「外務省が事実を明らかにしないことが問題をこじらせてきた」と反発したため、外務省は杉山外務審議官をジュネーブに派遣し、いわゆる強制連行はなかった、などといった説明を強調する事になった。 これがパンドラの箱を開けてしまったというのだ。 まさしく自業自得である。 「日韓両政府は不可逆合意をした」と繰り返し、余計な事を話さなかったら、この様な事にはならなかっただろう。 安倍外交は、みずからの稚拙さのために墓穴を掘ったのだ。 驚くべきことに、きょうの読売新聞は次のように書いている。 日本政府高官は「おかしいところは当然言っていく」と述べ、報告への反論も辞さない考えを示した、と。 ここまでくれば、もはや馬鹿につける薬はない。 国際社会をなめているのか、勝手にやってろ、と突き放すしかない(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
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天木直人(元外交官・作家)