□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2016年1月10日第27号 ■ ============================================================== 日韓合意で判明した権力に迎合する右翼と切り捨てられる右翼 ============================================================== 安倍首相が日韓合意したことで、右翼が裏切られたと怒っているらしい。 その事を大手新聞が正面から取り上げたのは東京新聞が初めてだ。 すなわち1月9日のこちら特報部でその実態を詳しく書いてる。 かつて安倍首相が野党議員だった2010年に設立され、その決起大会には安倍首相も講演をしたほどの応援組織「頑張れ日本!全国行動委員会」の水島総幹事長は、猛省して撤回しろと抗議している。 「新しい歴史教科書をつくる会」の藤岡信勝副会長は「国益に反する行為。日本側が得たものはほとんどないが、失ったものは非常に大きい」、「後ろから鉄砲で打たれたようなものだ」などと批判している。 しかし、私がこの東京新聞「こちら特報部」で注目したのは彼らの事ではない。 安倍政権に近い右翼たちは、むしろ評価しているという事実だ。 政府の男女共同参画会議議員の高橋史郎・明星大学教授は「『最終的かつ不可逆的な解決』を世界に向けて発信できたことは大きな外交的成果だ」と評価し、日本教育再生機構理事長の八木秀次・麗澤大学教授は「日本の安全保障を最優先した賢明な判断だ」と強調する。 産経正論の御用達のような田久保忠衛・杏林大学名誉教授とか桜井よしこなどは東京新聞の取材を断ったという。 安倍政権の中枢にある稲田朋美や萩生田などは、もちろん安倍首相の「英断」をほめそやしている。 これを要するに、主義主張に忠実(馬鹿正直)な純粋右翼は怒り、権力迎合の右翼は、主義主張などかなぐり捨てて保身の為に豹変しているのだ。 同じ事は左翼にも言える。 主義主張やイデオロギーに忠実で純粋な者は、損得を顧みず最後まで自民党と対決するが、権力志向の現実主義者は、立ち位置を変えても生きのびることを優先する。 もはや右翼、左翼の対立でいがみ合う時代はとっくに終わっているのではないか。 あるのは純粋なあまり切り捨てられる者たちと、理念や理想を二の次にして、権力に迎合する現実主義者たちとの絶対格差である。 それを突き詰めれば、保身のために対米従属を優先する卑怯者が生き延び、対米自立を唱える者たちが疎外されるという日本の現実である。 日本の大問題は、はたしていつの日か、日本は米国の支配から逃げられるかどうかである。(了) ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)