□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2012年6月19日第471号 ■ ============================================================== 胸のすく思いで読んだコンピューターワームの記事 ============================================================== 実に面白い記事だった。胸のすく思いで読んだ。 その理由はこのメルマガの最後の部分で明かそうと思う。 6月19日の毎日新聞「科学欄」で坂村健東大教授が「スタックス ネットの正体」という論考を寄稿していた。 その要旨はこうだ。 ・・・スタックスネットと呼ばれるワーム(悪意ある感染性のプロ グラム)がNSA(米国家安全保障局)とイスラエル軍諜報機関により イラン攻撃につかわれたと6月1日の米紙ニューヨーク・タイムズ紙が 報じた。 多くの報道では「スタックスネットというウイルス」と書くが「所有者 の意図しない勝手な動きをする悪質なソフトウエア」は総称して「マル ウエア」というのが正しい。 そしてそれは感染性の違いで、「ウイルス」、「ワーム」、「トロイ の木馬」にわかれる。 自然界の「ウイルス」と同様にコンピューターの「ウイルス」も、 正しい動きをするプログラムに紛れ込んで悪い働きを実行するコードの 断片だ。 「ワーム」は「ウイルス」より複雑な隠れた独立プログラムで、いっ たん実行されると様々な方法で他のシステムを探し能動的に自分をコピ ーする。 「トロイの木馬」も独立プログラムだが、隠れていない。良いプログラ ムと思って自分のコンピューターに招き入れて実行したら実は裏切り者 というパターンだ。 スタックスネットは「ワーム」のなかでも「ミサイル」と言われる ぐらい悪質で、あらゆる方法を試し自分のコピーを外に送りつけよう とする。 スタックスネットは、ブッシュ政権時代に人道的な理由(特定の 産業用制御システムだけを破壊するので、学校や病院を誤爆する可能性 のある物理攻撃よりはいいというわけだ。しかしスタックスネットは 工場や発電所などのインフラ設備もサイバー攻撃できることを実証した 意味で、パンドラの箱を開けてしまった・・・ 坂村教授はわかりやすく書いた積もりだろうが専門過ぎて私には何の ことかさっぱりわからない。 しかし少なくともこれだけははっきりしている。 悪意ある感染症プログラム(マルウェア)のなかで「ウイルス」が最悪で 、しかもそのまた最悪がスタックスネットということだ。それをつくり最初 にイランに使ったのが米国とイスラエルであったということだ。 坂村健教授は米国とイスラエルはとんでもない国だと言っているのだ。 しかも彼はパンドラの箱を開けたと言っている。 つまり敵を攻撃するはずの悪意に満ちた発明物がもはや自分のコントロー ルの及ばないところで動きだし、自らの首を絞めていると言っているのだ。 私が面白い、胸のすく思いだと言った理由がここにある。 了 ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください。 ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)