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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

アフガン復興会議の失敗が象徴する米国の「テロとの戦い」の敗北
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン2011年12月8日第865号 ■       ===========================================================    アフガン復興会議の失敗が象徴する米国の「テロとの戦い」の敗北                                                                    ===========================================================    アフガン復興会議がさしたる成果なく終わった。  支援国が軒並み財政不安を抱え、あらたな支援に消極的だったからだと 報じられている。  しかしアフガン復興会議がいつまでたっても成果が出ないのは援助額の 多寡ではない。  アフガンはいつまでたっても援助できる状況になり得ないからだ。  そもそも2001年末に開かれたアフガン復興会議の意図が不純だった。  米国がアフガンを攻撃しはじめた直後に開かれた復興支援の国際会議は 本来の開発援助国際会議とはその目的が根本的に異なっていた。  考えてみるがいい。  経済復興は平和が訪れてこそ始めるべきだ。それが経済協力の大原則 なのである。  いくら援助をしても戦争が続いていれば爆撃によって援助が台無しに なるからだ。  それにもかかわらず、米国のアフガン攻撃が始まったその時にアフガン 支援が始まった。  それは復興支援という名のアフガン傀儡政権へのテコ入れだったのだ。  だからその援助の中身が治安部隊の訓練とか、警官給与の肩代わりなど の行政経費となった。  しかもその多くがカルザイ傀儡大統領の汚職に消えて行った。  すなわちアフガン国民の生活の向上には何もつながらなかったのである。  それでもアフガン復興支援会議は続けられてきた。  しかしどうやらこのようなバカな復興援助も行き詰まって来たようだ。  なにしろ今度のアフガン復興会議の主要議題は、復興支援ということより も、どうやったらアフガンの治安が良くなるかだった。  そしてその会議をあざ笑うかのように、会議の最中である12月6日に アフガニスタンで大規模な自爆テロが起き、55人が死亡している。  これを要するにアフガン復興支援会議の不毛は、とりもなおさず米国の 対テロ戦争の敗北を象徴しているということだ。  そんなアフガン復興会議の次回会合(来年7月)のホストを日本が引き受 けるという。  絵にかいたような日本の対米追従外交である。    その時までにアフガン平和が実現し、本物のアフガン復興支援会議になる 事を願うばかりだが、まずそれは無理である。          了   ──────────────────────────────── 購読・配信・課金などのお問合せやトラブルは、 メルマガ配信会社フーミー info@foomii.com までご連絡ください ──────────────────────────────── 編集・発行:天木直人 ウェブサイト:http://www.amakiblog.com/ 登録/配信中止はこちら:https://foomii.com/mypage/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

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