Foomii(フーミー)

天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

民主党政権の「新防衛計画の大綱」づくりはどうなっているのか
無料記事

□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン 2010年7月23日発行 第30号 ■        ===============================================================        民主党政権の「新防衛計画の大綱」づくりはどうなっているのか                                           ================================================================   いきおい私のメルマガのテーマは外交・安全保障に関するものに偏る傾向に あるがお許し願いたい。  どうしても自分の関心分野に意識が向いてしまう。  しかし、実はこの外交・安全保障分野こそ、一般国民はもっと認識を深める べきなのだ。  外交・安全保障分野は、我々の生活に大きな影響を与えるにもかかわらず、 政府・官僚がその政策を独占してきた。  もっともっと我々の監視が行き届かなければいけない。  7月21日の東京新聞が一面トップで、防衛省が本年度から「戦闘機から 発射して艦艇を攻撃する超音速空対艦ミサイル」の開発を始める事がわかった、 とスクープしていた。  本年度予算23億円を投じ開発を始め、総額325億円を投じて2016 年度までに開発を終え、量産化に移るという。  その事が、空母建設を目指す中国海軍に対抗するものであるとか、憲法9条 の禁止する攻撃的兵器にあたるとかの問題は、ここではひとまず置いておく。  私がこの記事を読んで頭に浮かんだのは、民主党政権下で今年中にも作成 されるはずの新防衛計画の大綱づくりが、今どうなっているか、ということ であった。  防衛計画は多年度にわたって莫大な予算が必要とされる事から、これまで 1976年の第一次、1995年の第二次、そして2004年の第三次と、 いずれも長・中期の防衛計画の大綱が策定され、国民の了解を得てきた。  今度の第四次防衛計画の大綱は、それが政権交代後の民主党政権下で 作られる最初のものだという意味で決定的に重要な意味を持つ。  思い起こせば今年の2月18日、いまは懐かしい鳩山由紀夫前首相が、自ら つくった諮問機関「新たな時代の安全保障と防衛力に関する懇親会」の第一回 会合で、「自由闊達な議論をしていただきたい」と述べたものだ。  しかしその後鳩山首相は官邸を去った。政局は混乱した。  当時は8月にも報告書をとりまとめ、遅くとも年末までに新しい「防衛計画 の大綱」をつくるとされていたのが、今はどうなっているのか。  新防衛計画の大綱がないままに、防衛省が東京新聞のスクープ記事のごとく 新型対艦ミサイルの開発を先取りしているとすれば大問題ではないのか。  そう思っていたら、月刊誌「世界」8月号が「軍事大国化に目を瞑る メディア」と題して見事な警鐘を鳴らしていた。  すなわち、自公政権とほとんど同じ安全保障政策を有している民主党が、 メディアの報道なく、従ってまた国民のチェックもなく、懇談会に丸投げして 新しい防衛計画の大綱をつくろうとしているのであれば、それは軍事強化の 方向に行くに決まっている、と。  実際のところ、懇談会のもとには各方面から寄せられた山積みの膨大な 資料の中に、財界や防衛省が作成した武器輸出三原則緩和や防衛力強化の 資料が目立つという。  それらの資料をもとに、「日米安全保障協力の深化」と「国際平和協力化 活動等の取り組み」という二つのキーワードが踊っているという。  そのキーワードに隠された驚くべき憲法9条違反の計画が進められている という。  そういえば平野官房長官(当時)が発表した防衛懇のメンバーはいずれも 自民党政権下で重用された防衛強化論者ばかりであった。  護憲政党がしっかりしていた時は、東京新聞のようなスクープ記事が出れば 国会で大問題となった。  しかし今は誰も問題にしない。  民主党が政権を取ったことで日本の軍国化は止めようがないところまで進む のかも知れない。                                 了                                                                                         ≪メルマガに関する問い合わせは、info@foomii.com へ直接ご連絡願います≫                                      お詫びの言葉  日付と配信番号に混乱があるとのご指摘が複数寄せられています。これは 一日に二つのテーマで配信することもあって生じたミスだと思います。 ご容赦下さい。  それから誤字・脱字が目立つというお叱りがあり、これは弁解の余地なく 今後更に注意したいと思います。  猛暑により注意力散漫になったと思ってご宥恕願います。  本当のところは書く事に精一杯で、それをもう一度読み直す時にエネルギーが うせてしまう事にあります。  しかしそれは何の言い訳にもなりませんから今後は更に注意して配信するように 心がけたいと思います。    お知らせ 「さらば日米同盟」の出版記念講演を、政治評論家の森田実さんの 特別参加を得て以下の通り行ないます。  当日のプログラムは以下の通りです。  13:35-14:00 天木直人「出版の意図を語る」  14:05-14:45 森田実 「特別講演」         休憩  15:00-16:00 天木直人・森田実対談(司会天木)  16:00-16:00 聴衆との応答(司会天木) 日時 8月8日(日)    午後一時開場 場所 赤坂区民センター大ホール    港区赤坂4-18-13    地下鉄銀座線・丸の内線 赤坂見附駅 A出口徒歩10分    大江戸線・半蔵門線 青山一丁目駅  4番出口徒歩10分 参加 無料(予約の必要はありません。直接会場へお越し下さい)。 (連絡先:春田 090-2415-7617 u12u9lo6@image.ocn.ne.jp                 ユー12ユー9エルオー6)             

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

2010年のバックナンバー

2009年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年11月19日に利用を開始した場合、2024年11月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2024年12月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する