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天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

国民の最大の敵は今や国会議員ではないか
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□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン 2010年7月13日発行 第16号 ■         ─────────────────────────────       国民の最大の敵は今や国会議員ではないか           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  きのう一日のテレビ報道を見る限り、日本の政治の将来に対する 緊迫感は与野党の国会議員からはまるで伝わってこない。  あれほど負け、現職の大臣まで落選させているのに、執行部も内閣も そのままにして、「国民への責任を果たす」と言い張る菅首相。  説明不足は認めるが消費税増税については国民の理解は深まったと 繰り返す民主党議員。  民主党の消費税増税はばら撒きの尻拭いだが、我々の唱える消費税増税は 正しいと言う自民党議員。  選挙のたびに議席数を減らしているのに、普天間問題の解決のためには 我々の存在が必要であると沖縄をダシにして売り込む護憲政党。  もはやこの国の政治家たちは国民と完全に乖離しているのではないか。  官僚はいくら抵抗してもその特権に胡坐をかくわけには行かない。 国民はそれを許さない。国民の声に押されて与野党の国会議員は今度こそ 本気で公務員改革を進めていくという大合唱だ。  メディアもまた、うかうかしていられない。つまらない政治でも毎日 なんとか報道し続けなければならない。視聴率を気にしなければならない。 少しでも権力を擁護するとメディアの堕落だと批判される。なによりも ネット情報におされて生き残れなくなりつつある。  そう考えると、一番恵まれているのは国会議員であることに気づく。  もちろん選挙に当選しなければ国会議員になれない。だから選挙の時は 必死にお願いをする。  しかし選挙が終われば、スキャンダルでも起こさない限り政治家を続け られる。  メディアに顔を出すのはいつも同じ顔ぶれの限られた国会議員だけだ。  大多数の政治家は、政策を語れなくても、国会に出席しなくても、批判 されない。民間企業のようにクビにはならない。  国会議員こそ国民の最大の敵ではないか。  そう思わせる記事が、実は参院選挙前に掲載されていた。  選挙が終わった今、あらためてその記事を読み返し腹が立つ。  それは7月9日の東京新聞「こちら特報部」が書いていた「背徳の 新議員会館」という記事である。  ほとんどメディアは取り上げなかったが、選挙戦のさなかの7月1日に、 総工費約1700億円の予算をかけて完成した新しい国会議員会館への移転 が始まった。  今度の選挙で当選した議員も、皆そこで執務することになる。  何人の政治家が新しい議員会館に値する仕事をするのか、などという野暮 な事はここでは言わない。  それ以上に腹立たしい現実を東京新聞は次の通り指摘していた。  国会議員の定数削減が与野党の公約になって久しい。やがて確実に 国会議員の数は減る。それなのになぜ今の定員数を前提とした議員会館を 作ったのか。空き部屋になることは目に見えている。  それだけではない。02年に完成した首相官邸(執務室)と05年に完成 した首相公邸(住居)は、周辺の整備を含め総事業費約900億円をかけた。  約334億円かけて赤坂の一等地に07年に完成した議員宿舎は、市場価格の 5分の一ほどの家賃で国会議員にあてがわれる。  政治活動に関係のない身内や他人を住まわせたりする。  世論の批判を避けて空き室が多かった議員宿舎も今は満室だという。  そして東京新聞はこう締めくくっている。  「こんなおいしいポストを手放すもんか」と国会議員は新議員会館を見上げ ている、と。  議員会館や議員宿舎の建設は与野党合意で決まる。消費税増税で国民に 負担増を求めるならまず議員本人が身を切るべきだ、と。  その国会議員は、いつまでたっても国民の生活を救うための方策を決めら ないでいる。いつも政局に明け暮れている。  国会議員こそ、今や国民の最大の敵となりつつある。                               了                                                                                                ≪メルマガに関する問い合わせは、info@foomii.com までお願いします。≫  出版記念会のお知らせ 「さらば日米同盟」の出版記念講演を、政治評論家の森田実さんの ご参加を得て以下の通り行ないます。 日時 8月8日(日)    午後一時開場 場所 赤坂区民センター大ホール    港区赤坂4-18-13    地下鉄銀座線・丸の内線 赤坂見附駅 A出口徒歩10分    大江戸線・半蔵門線 青山一丁目駅  4番出口徒歩10分 参加 無料(予約の必要はありません。直接会場へお越し下さい)。 (連絡先:春田 090-2415-7617 u12u9lo6@image.ocn.ne.jp                 ユー12ユー9エルオー6) なお講演会の概要については次のURLを参考にして下さい。      http://d.hatena.ne.jp/Takaon/20100702                                                         

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