Foomii(フーミー)

天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説

天木直人(元外交官・作家)

天木直人

G-20が日本を例外扱いした本当の理由
無料記事

□■□■【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■  天木直人のメールマガジン 2010年7月8日発行 第9号 ■         ─────────────────────────────      G-20が日本を例外扱いした本当の理由           ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  6月27日に閉幕したG-20首脳会議で、「先進国は2013年 までに財政赤字を半減させる」という目標が採択された際、なぜか日本 だけが例外扱いされた。  およそ国際会議の合意や宣言で、一国だけが特別扱いされた例を私は 知らない。  それほど異例な事であったのに日本の報道のどれを見てもその理由を 明言するものはなかった。  しかもその理由を後で検証するという報道も皆無だった。  日本の場合は債務が大きすぎて無理だ、というのではあまりにも 情けない。いや、そんなことで日本だけ甘くするなどという事は国際政治 ではありえない。  日本の場合、国債の約95%は国内で保有されている事を評価されたのだ、 というまったく逆の評価もあった。  しかし、たとえそうだとしても、世界の主要国のすべてが合意している 財政赤字半減目標について日本だけが例外扱いされるほど世界は日本を評価 したとは思えない。最大の財政赤字国家が評価されるなどとは冗談だ。  一体どういうことなのか。日本は評価されたのか。無視されたのか。  そもそも誰が最初に例外扱いを言い出したのか。日本が頼み込んだのか。 他の国が言い出したのか。他の国が言い出した時、日本の代表はどう対応 したのか。喜んで受け入れたのか。みっともないから例外扱いしないでくれ と頼み込んだけれど断られたのか。  疑問は山ほどある。  そしてそれらは調べればすぐわかることだ。会議に出席した政府代表団 は知っているはずだ。メディアも知っているはずだ。  国家議員がその気になれば質問主意書などで聞けばわかる。  それなのに誰もこの事を問題にしないままウヤムヤになって終わった。  そう思っていたら、今日(7月8日)発売の週刊新潮7月15日号で 中央大学名誉教授の水谷研二氏の次のような見方が紹介されていた。  「G-20に限らず国際会議は各国のエゴが出るもの。日本が赤字削除 を『免除』してもらったのは善意などではありません・・・日本は国際 収支が突出して黒字だからこれを消費や投資に振り向けて欲しい。増税や 緊縮財政より内需拡大で世界の景気を支えてね、というのが例外扱いの 理由でしょう・・・」  それを週刊新潮が次のように締めくくっている。 「もっとばら撒いてください。破綻する日まで、というわけか」  私はそのとおりだと思っている。  思い出して欲しい。あの会議は財政出動の米国と財政再建のEUが対立 した会議だった。  日本はそのどちらからも責められたに違いない。  そして財政出動を求める米国が日本を例外扱いしようと言い出したに違い ない。  もちろん私にはその根拠はない。目撃情報はない。勝手な推測だ。  しかしあの会議で日本が板ばさみになって埋没した事だけは間違いない。                                了                                                                                ≪メルマガに関する問い合わせは、info@foomii.com までお願いします。≫  出版記念会のお知らせ 「さらば日米同盟」の出版記念講演を、政治評論家の森田実さんの ご参加を得て以下の通り行ないます。 日時 8月8日(日)    午後一時開場 場所 赤坂区民センター大ホール    港区赤坂4-18-13    地下鉄銀座線・丸の内線 赤坂見附駅 A出口徒歩10分    大江戸線・半蔵門線 青山一丁目駅  4番出口徒歩10分 参加 無料(予約の必要はありません。直接会場へお越し下さい)。 (連絡先:春田 090-2415-7617 u12u9lo6@image.ocn.ne.jp                 ユー12ユー9エルオー6) なお講演会の概要については次のURLを参考にして下さい。      http://d.hatena.ne.jp/Takaon/20100702                                                         

今月発行済みのマガジン

ここ半年のバックナンバー

2024年のバックナンバー

2023年のバックナンバー

2022年のバックナンバー

2021年のバックナンバー

2020年のバックナンバー

2019年のバックナンバー

2018年のバックナンバー

2017年のバックナンバー

2016年のバックナンバー

2015年のバックナンバー

2014年のバックナンバー

2013年のバックナンバー

2012年のバックナンバー

2011年のバックナンバー

2010年のバックナンバー

2009年のバックナンバー

このマガジンを読んでいる人はこんな本をチェックしています

月途中からのご利用について

月途中からサービス利用を開始された場合も、その月に配信されたウェブマガジンのすべての記事を読むことができます。2024年11月19日に利用を開始した場合、2024年11月1日~19日に配信されたウェブマガジンが届きます。

利用開始月(今月/来月)について

利用開始月を選択することができます。「今月」を選択した場合、月の途中でもすぐに利用を開始することができます。「来月」を選択した場合、2024年12月1日から利用を開始することができます。

お支払方法

クレジットカード、銀行振込、コンビニ決済、d払い、auかんたん決済、ソフトバンクまとめて支払いをご利用いただけます。

クレジットカードでの購読の場合、次のカードブランドが利用できます。

VISA Master JCB AMEX

キャリア決済での購読の場合、次のサービスが利用できます。

docomo au softbank

銀行振込での購読の場合、振込先(弊社口座)は以下の銀行になります。

ゆうちょ銀行 楽天銀行

解約について

クレジットカード決済によるご利用の場合、解約申請をされるまで、継続してサービスをご利用いただくことができます。ご利用は月単位となり、解約申請をした月の末日にて解約となります。解約申請は、マイページからお申し込みください。

銀行振込、コンビニ決済等の前払いによるご利用の場合、お申し込みいただいた利用期間の最終日をもって解約となります。利用期間を延長することにより、継続してサービスを利用することができます。

購読する