□■□■ 【反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説】 ■□■ □■ 天木直人のメールマガジン 2010年7月1日発行 第1号 ■ ───────────────────────────── 聞け!エルドリアン首相の魂の叫びを ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 今日から新しい配信会社フーミー社を通じてメルマガを配信します。読者の 皆様には新規のご購読ありがとうございます。そしてどうぞよろしくお願い します。 まぐまぐ社からの配信をはじめてから一年半、毎日書き続けていく事は正直 言ってかなり厳しいものがありました。いつ止めてもいいかなと思いながら 書いていました。 そのような時に新しいフーミー社が誕生し、誘いを受けました。その会社と ともに私も心気一転して書いてみようと覚悟を新たにしました。 そのうちまた疲れて書く気がなくなる時が来ると思いますが、その時は私が 書くことを止める時だと覚悟を決めています。その時までしばしおつきあい 下さい。 心機一転して書く最初のテーマはこれに決めていました。やはりパレスチナ 問題です。そこには私の平和に対する原点があるからです。 聞け!エルドアン首相の魂の叫びを ガザのパレスチナ人がイスラエルによって監獄の囚人のように封鎖されて から久しい。 それだけでも人道上の犯罪であるのに、そのガザのパレスチナ人を助ける ために援助物資を海上輸送しようとした人道支援船をイスラエル海軍が攻撃 する事件が5月31日に起きた。 この許しがたいイスラエルの行動はその後国際社会の批判の的になったが、 その先頭に立ったのはトルコのエルドリアン首相であった。 エルドリアン首相は、事件を「国家テロ」と非難し、外相を即座に国連本部 に派遣、安保理を緊急招集して翌日には非難声明採択にこぎつけた。 トルコのイスラム人権組織が中心となって行なわれた物資輸送であり、 犠牲者もトルコ人であったとはいえ、トルコはNATOに加盟する米国の 同盟国である。 そのトルコがイスラエルのガザ封鎖と言う非人道的行為を国際社会に訴える 事に成功し、イスラエルを国際非難の矢面に立たせた。 この外交力こそ日本が見習うべきものに違いない。 そう考えるのは決して私一人ではない。 6月26日の朝日新聞「私の視点」で、内藤正典同志社大教授(現代 イスラム地域研究)がトルコのソフトパワーに注目せよ、と書いていた。 過日モハマッド・ハラケ駐日レバノン大使と話す機会があった時、ハラケ 大使は私にこう言った。米国・イスラエルと敵対せよとは言わない。しかし 日本もせめてトルコのように、イスラエルの誤りには毅然とした態度を示す べきではないか、と。 しかし、私がここで書きたかった事は日本外交の批判ではない。 どうしても読者に紹介したいエルドアン首相の言葉があるのだ。 それを以下に掲載し、私の第一回のメルマガに記録しておきたい。 「これは明らかな国家テロである。 これは法を認めないことである。 これは攻撃性である。 これはイスラエル政府がどんなに病的で どんな精神状態にあるか どんなパラノイア、トラウマの中にあるのかの もっともはっきりした例である。 世界は我々に偽善的な態度をとっているとイスラエルは言う 違う、偽善的なのはお前だ。 嘘つきはお前だ。 殺戮を行う者に誇りを感じるのはお前だ。 私の後ろについているというのはお前だ。 お前だ。もう一度言う。 お前達は殺すのをよく知っている。 ここで私は彼らに彼らの言葉で話す。 トーラーの十戒の六番目は『殺すなかれ』という。 分からなかったか。 もう一度、今度は英語で言う。 Thou shalt not kill まだ分からないか、ならお前の言葉で言う。ヘブライ語で言う。 Lo Tirtzakh 」 これは5月31日に発出されたエルドリアン首相の怒りの声明である。 これを報じる日本のメディアは皆無だったがインターネットで流れ反響を 呼んだ。 私はこの文章を読んで感涙に震えた。 いまだかってここまで真実を語った世界の指導者がいただろうか。 憲法9条を世界に誇る日本に、エルドリアン首相のような指導者が出て くる日を私は夢見る。 その時こそ日本の外交が変わる時だ。 このエルドリアン首相の言葉に勇気をもらって、私はまた新たにメルマガを 書き続けていく。 完 ≪「天木直人メルマガ」に関するお問い合わせ、要望などはこちらから≫ http://foomii.com/00001/
天木直人のメールマガジン ― 反骨の元外交官が世界と日本の真実をリアルタイム解説
天木直人(元外交官・作家)