━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/05/05 増税・TPP・原発は主権者国民が最終判断する ──────────────────────────────────── 5月5日、今日、日本全国の原発が停止する。 一時的にせよ、原発ゼロが実現する。 経産省前のテントで座り込みを続けてきた同志に感謝の意を表したい。 一度原発を止めて、そのうえで、時間をかけてじっくりと論議をするべきだ。 それが、人間の叡智というものだ。 今年の夏の電力使用量ピークを原発無しで乗り切る実績を作ることが何より も大事だ。 関電は節電やピーク時電気料金の引き上げなどで、ピーク時電力使用量を引 き下げる努力を全力では行わない姿勢を示しているが、このような自己中心的 な企業姿勢こそ糾弾されるべきである。 関電の自己中心的行動を是正すれば、確実に今年の夏の電力利用ピークを原 発無しで乗り越えることができるはずである。 原発無しでピーク時電力をカバーできる実績が積み上げられれば、原発につ いて論議をする時間を無制限に確保できることになる。その無制限の時間のな かで、じっくりと論議して結論を出すべきだ。 このような重大問題について、何よりも避けねばならないことは、「拙速」 である。4人の大臣が集まって素人の判断で原発再稼働を決めることほど馬鹿 げた話はない。 原発事故のあと、作家の村上春樹氏がスペインのバルセロナで講演をした。 この講演を私たちはもう一度かみしめる必要がある。 村上春樹氏はこう述べた。 「原爆投下から66年が経過した今、福島第一発電所は、三カ月にわたって放 射能をまき散らし、周辺の土壌や海や空気を汚染し続けています。(中略)こ れは我々日本人が歴史上体験する、二度目の大きな核の被害ですが、今回は誰 かに爆弾を落とされたわけではありません。我々日本人自身がそのお膳立てを し、自らの手で過ちを犯し、我々自身の国土を損ない、我々自身の生活を破壊 しているのです。… … …(記事全文5,911文字)
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植草一秀(政治経済学者)