━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/04/24 4月26日を日本民主化運動の再出発点にする 第208号 ──────────────────────────────────── 4月26日、小沢一郎氏に対する裁判の判決が示される。 昨年9月26日に、小沢氏の元秘書、大久保隆規氏、石川知裕氏、池田光智 氏に対する裁判の判決が示された。 西松建設OBが主体となって作られている、新政治問題研究会、未来産業研究 会からの献金を事実通りに収支報告書に記載したことが「虚偽記載」だとされ た問題、 2004年10月に資金決済があり、2005年1月に移転登記が完了した世 田谷の不動産取得に関して、収支報告書の届けを2005年に行い、不動産取 得に際して設定した定期預金の原資になった預り金を記載しなかったことが 「虚偽記載」だとされた問題、 が起訴の対象であった。 このような、政治資金収支報告書の記載の問題は、これまで、すべて、収支 報告書の「修正」で済まされてきた。 刑事責任を問うには、その裏側に、収賄や裏金受領のような「実質的犯罪」 が存在しなければならないとの考え方が示されてきた。 東京地検特捜部は、2009年3月の大久保氏逮捕以降、その裏側に実質的 犯罪が存在するとの見込みを持って、1年間にわたって、膨大な捜査態勢を敷 いて徹底捜査を尽くしたが、立件できる刑事問題を発見することができなかっ た。 上述したように、これまで、収支報告書の記載の問題は、裏側に実質的犯罪 が存在しない限り、収支報告書の修正で済まされてきた経緯がある。 したがって、この問題においても、裏側に実質的犯罪が存在しない限り、刑 事責任を問うことが難しいと考えられる。 東京地裁の登石郁朗判事は、昨年9月26日の判決で、水谷建設から小沢氏 サイドに1億円の裏金が渡されたことを事実認定して、三名の元秘書に有罪判 決を示した。 しかし、この事実認定に重大な問題がある。 裏側の実質的犯罪こそ、東京地検特捜部が1年がかりで発掘しようとし、立 件しようとした対象である。… … …(記事全文6,087文字)
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植草一秀(政治経済学者)