━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/04/19 東京地検特捜部の小沢氏起訴誘導動かぬ証拠が次々 第203号 ──────────────────────────────────── 昨日記述した検察の巨大犯罪の取り扱いについての記事。 田代政弘検事などを刑事告発した八木啓代氏を代表とする 「健全な法治国家のために声を上げる市民の会」 によると、同会による検察に対する公開質問状に関連して検察が記者会見を行 い、記者から質問が殺到して、それに対する答えとして検察が示唆した内容が 記事になったものだという。 これについて、郷原信郎弁護士はtwitterで次のようにコメントされた。 「検察は、田代検事を庇ってるのではない。彼を起訴し、刑事公判に持ち込ま れれば、組織的背景が明らかにせざるを得ない。それは、AERA記事の見出しに もなっていた「特捜解体」にもつながる。だから東京地裁の証拠決定でも一蹴 された田代検事の「記憶の混同」の弁解を丸呑みせざるを得ない。」 昨日付メルマガには記述したが、田代検事が記憶の混同と証言した、実際に 存在した石川氏と検事とのやり取りと、田代氏が捜査報告書に記載した内容は、 その主旨、本文、結論において、まったく異なるものである。 田代政弘検事が捜査報告書に記載したのは次の内容である。 「石川知裕氏が、「私が『小沢先生は一切関係ありません』と言い張ったら、 検事から、『あなたは11万人以上の選挙民に指示されて国会議員になったん でしょ。小沢一郎の秘書という理由ではなく、石川知裕に期待して国政に送り 出したはずです。それなのに、ヤクザの手下が親分を守るためにウソをつくの と同じようなことをしたら、選挙民を裏切ることになりますよ。』と言われた んですよね。これは結構効いたんですよ。堪えきれなくなって、小沢先生に報 告し、了承も得ましたって話したんですよね。」と供述した」 田代検事はこのように捜査報告書に記載した。 この捜査報告書の主張は、石川氏は検事の言葉が心に重く響いて、その結果 として、「小沢氏に報告し了承を得た」との供述を行ったことを吐露した、と いうものである。 問題の核心は「小沢氏に報告し、了承を得た」と記載されている石川氏の供 述調書の内容が信用できるものであるのかどうかという点にある。 田代氏が作成した捜査報告書は、石川氏の「小沢氏に報告し、了承を得た」 との供述が、上記の経緯によって出たものであることを石川氏が述べたという… … …(記事全文7,983文字)
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植草一秀(政治経済学者)