━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/03/07 日本財政が危機に直面していない三つの論拠 第159号 ──────────────────────────────────── 鳩山由紀夫元首相が「シロアリ退治なき消費増税阻止」の旗幟を鮮明にした のは、2009年5月である。 小沢一郎民主党代表が検察とメディアによる選挙妨害を理由に民主党代表職 を辞した。このために、民主党代表選が実施された。 メディアが全面支援したのは岡田克也氏である。ネバネバ官民癒着企業をバ ックボーンとするシロアリ一族の一員、岡田克也氏は消費増税を主張した。 これに対して鳩山由紀夫氏は「シロアリ退治なき消費増税阻止」の旗を掲げ た。 メディアが岡田支持を鮮明にするハンディ戦であったが、鳩山氏が勝利を収 めた。 そして、2009年8月31日の総選挙。消費増税を掲げる麻生太郎政権と シロアリ退治なき消費増税阻止を掲げる鳩山由紀夫民主党は正面からぶつかっ た。 勝利を収めたのは民主党。遂に政権交代の大業が実現した。 この選挙で、消費税問題には決着がついたはずであった。少なくとも、常識 的な議会制民主主義では、これで決着がついたことになる。 ところが、事態は思わぬ展開を見せる。 鳩山内閣がわずか8ヵ月で内閣総辞職に追い込まれる。 民主党内で政変が発生し、菅直人氏が権力を握る。菅直人政権の発足と同時 に、民主党から消費増税提案が示される。寝耳に水とはこのことを言う。 2010年7月参院選は菅直人氏提案消費税率10%の是非を問う選挙にな った。 結果は菅直人民主党の惨敗である。主権者国民は、ふたたび「シロアリ退治 なき消費増税」にNOの意思を表示した。 ところが、財務省はあきらめない。 今度は、子飼いの野田佳彦氏を首相に祭り上げた。そのうえで、野田氏に消 費増税案を持たせて野に放った。… … …(記事全文4,427文字)
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植草一秀(政治経済学者)