━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/02/29 大義なき消費増税賛成民主議員は総選挙全員落選か 第152号 ──────────────────────────────────── 次の総選挙がいつ実施されるかは未定だが、次の総選挙の最大の争点が消費 増税の是非になることは明確である。 野田佳彦内閣は3月に消費増税法案を閣議決定して国会に提出して、今次通 常国会で可決成立させることを狙っている。 この方向でものごとを進めるに際して、最初のハードルになるのは、閣議決 定である。民主党内での意見のとりまとめが出来なければ、閣議決定ができな い。 賢明な国民新党は、すでに消費増税反対の意思を明確に表明している。 閣議決定が実現し法案を国会に提出した場合には、法案が衆参両院で可決さ れて初めて消費増税が実現する。予算とは異なり、一般法案であるから、衆議 院で可決されても、参議院で否決されると、法律は成立しない。 政策決定はこれから本当のヤマ場を迎える。 カギを握るのは、民主党国会議員の判断である。民主党内国会議員の多数が 反対に回れば、閣議決定も法案可決も不可能になる。 民主党国会議員が政治活動を続ける意思を持つなら、次の総選挙で、主権者 である国民がどのような判断を示すのかを十分に念頭に置いて判断することが 不可欠だ。 結論を先に提示すれば、民主党国会議員で消費増税に賛成する議員は、まず 間違いなく主権者国民によって、次の選挙で落選させられるだろう。民主党議 員はこのことを十分に肝に銘じて消費増税についての判断を決定するべきだ。 これは私の個人的見解だから、否定するのは構わないし、別の見立てを示す 人がいても構わない。しかし、ものごとの推移には、大きな法則がある。水が 高いところから低いところに向かって流れるように、道理に従うという側面が ある。 ものごとのことわり=理を離れる現実は決して長くは続かない。 野田佳彦氏がいま強引に進めている消費増税には、何よりも大切な正統性が ない。天の時、地の利、人の和のいずれをも得ていない。だから、必ず破れる ことになる。民主党議員でその片棒を担ぐ者は、転落の道を辿ることになる。… … …(記事全文5,755文字)
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植草一秀(政治経済学者)