━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「植草一秀の『知られざる真実』」 2012/02/27 原発事故後のエネルギー政策七つの論点 第150号 ──────────────────────────────────── 2月26日のNHK「日曜討論」では、エネルギー問題についての討論が行 われた。国民の生命と健康、生活に直結する問題であるだけに、真摯な論議が 求められる。 この日の討論では、日本のエネルギー政策に関する主要論点が提示され、各 党の見解が一致する部分、離反する部分がある程度明確化され、それなりに意 味のある討論になったと思われる。 公共の電波を用いて、国民の代表者が一堂に会して討論を行うわけであるか ら、常にこのような姿勢で建設的な討論を行ってもらいたい。 主要な論点を七つあげることができる。 1.原子力の位置付け 2.原発再稼働 3.脱原発状況の問題点 4.当面の基本的対応 5.制度的対応 6.電力料金 7.東電処理 まず、最大の問題は原子力利用を今後の日本でどのように位置付けるのかで ある。昨年3月11日に、現実に原子力発電所は人類史上最悪レベルの事故を 引き起こした。 そのために、極めて多数の国民が甚大な被害を受け、いまなお苦しみの淵に 置かれている。原発が立地する双葉町の町民が町役場ごと避難した埼玉県加須 町の旧騎西高校には1月時点でなお500人以上が暮らしている。 国会の事故調が始動したが、原発事故の原因はまだ解明されていない。原発 事故が発生した日の8日前にあたる3月3日には、政府の地震調査委員会事務 局が東京電力などと非公式会合を開き、電力会社が巨大津波や地震への警戒を 促す表現を変えるよう求め、事務局が「工夫する」と答えて、表現を後退させ たことが新たに明らかになった。… … …(記事全文5,147文字)
メルマガ版「植草一秀の『知られざる真実』」
植草一秀(政治経済学者)