━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 渡邉哲也の今世界で何が起きているのか 2012/01/20 第89回 欧州の景気後退予測 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ S&Pによる格下げの影響も一段落、市場は若干の落ち着きを取り戻している。再交渉に 入っているギリシャの債務再編経の警戒感は強いが、これも織り込み済みの部分も強く、 大きな動きには至っていない。しかし、本質的な危機改善というわけではなく、欧州によ る政治的対応待ちの部分が大きい。この際に問題となるのは、ファイアウォールの構築で ある。すでに一定範囲でデフォルトが織り込まれているギリシャは良いとして、金額が大 きすぎて織り込みができない状況にあるイタリアスペインをどうするかという問題となる。 すでに、欧州のリセッション(景気後退)は数字に現れており、これが悪化すれば資産 価格の下落と税収減少、銀行のバランスシート悪化を招くことは必死である。この場合、 自己資本維持に必要な額が増加し、資本不足が更なる信用悪化と調達コスト上昇の要因と… … …(記事全文5,264文字)
渡邉哲也の今世界で何が起きているのか
渡邉哲也(作家・経済評論家)