━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 渡邉哲也の今世界で何が起きているのか 2012/01/17 第86回 ユーロ下落 欧州危機は次の段階に ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ S&Pによるユーロ圏諸国格下げの影響を受けて、ユーロは大幅な下落をした。しかし、す でに織り込み済みの部分も大きく、欧州市場は比較的落ち着いた動きとなった。但し、こ れは短期的なものであり、早期に抜本的な対策を打たない限り、下落傾向を止めることは できないものと思われる。そして、抜本的な対策とはドイツによる大規模な保証の拡大や ECBによる大規模な量的緩和となり、その決定には大きな困難が伴うものと思われる。 また、今回の格下げは、ユーロ圏の信用危機の規模を大きく拡大させたことになる。これ は格下げに伴い格下げされた国と銀行のの資金調達コストが上昇するためであり、金利負 担の増加が発生するからでもある。金利が高まれば、当然返済能力は低下し、それが負の 連鎖を引き起こすことになる。… … …(記事全文5,946文字)
渡邉哲也の今世界で何が起きているのか
渡邉哲也(作家・経済評論家)